【最重要のマネーリテラシー】支出・物欲をコントロールする方法6選

お金の心配が尽きない人は少なくないと思います。
収入を増やしたりお金を貯めれば安心できると考えている人は多いですが、肝心なのはそこではありません。
このことについてはお金の安心に関するページで解説しました。

お金の安心とは何か?の結論を端的に言えば、お金との付き合い方を知ることが重要ということです。
何事も実態をよく知らなければ、恐怖や不安は拭えません。それはお金も同じです。
身近に思えるお金ですが、日本人の絶望的なマネーリテラシーを見れば、多くの人がその付き合い方を知らないと言っていいでしょう。

「自分は大丈夫」って思ってる人が一番危ないってのは詐欺が分かりやすい例だね

逆にお金のことを知り自分の思い通りにコントロールできると思えれば、不安は払しょくできます。
お金のコントロールは収入と支出の両面ありますが、特に支出のコントロールは重要です。
収入を自在にコントロールできる人はそう多くありませんし、使い道をコントロールできなければ無限にお金を吸い取られてしまいます。
実際にお金持ちの転落にも支出のコントロール不良が関係しています。

重要な支出のコントロールですが、コツさえ押さえれば誰でも実践できるものです。
このページではそんな支出を上手くコントロールし、浪費を無くす方法を解説します。
具体的に紹介する内容は以下の5点です。

①刺激から離れる
②思考力を大事にする
③トレードオフを明確にする
④上手な消費
⑤ハードルを増やす
⑥冷却期間

順番に解説していきます。

①刺激に触れない

人は物欲や食欲といった欲望と戦おうとし、その対策方法を知ろうとします。
しかしこの発想は正しくありません。
欲望との闘いには自制心が必要で、疲れて自制心が低下してる時にはどんな対策をしても負けてしまいます。
つまり勝てるかどうかは時と場合による上に、我慢のために思考力も大きく消耗するということです。
そんなイチかバチかにかけてお金や思考をムダにしてはいけません。
闘いに負けない唯一の方法は敵を作らないこと・戦わないこと。これしかありません。
そもそも物欲を生み出さなければ物欲に負ける心配はないということです。

世の中には人間の物欲を呼び起こそうと様々な刺激が放出されています。
SNSの投稿や、YouTube動画の商品紹介、テレビ・ネットなどの広告、ネットショッピングのレコメンドなど様々です。
また人間の不安や危機感などの心理を巧みに利用し、不要なものを必要など思い込ませるマーケティング手法も沢山あります。

つまり不用意にSNSやテレビなど物欲を喚起しようと待ち構えているメディアに触れないことが最も簡単かつ効果的な対策です。
その他にも買うつもりもないのにフラッと繁華街にウインドウショッピングに出かけたりするのもオススメしません。
新作の商品、人が持ってるモノを見ることでドンドンと物欲が湧いてきてしまうからです。
その他にもポストに投函されるチラシも効果は薄いなりに刺激になるので、「お断り」表示をしておくと良いです。

チラシなんて見る人ほとんどいないと思うんだけど、売上に繋がってるのかな?

②思考力を削らない

物欲を生む刺激に触れないというのは根本的な対策ですが、世捨て人にでもならない限り少なからず触れてしまうものです。
そうした時には前の項目で触れた通り、自制心を持って物欲を抑える必要が出てきます。
そこで重要になるのが認知リソースという概念です。

認知リソースとは脳の体力と言われるもので、自制心だけでなく様々な思考や判断で消耗します。
ビジネスにおける判断から、ランチに何を食べるかといった些末な判断まで本当に様々です。
そのためしっかり引き締めなければお金と同じく無為に垂れ流されてしまいます。
認知リソースを無駄遣いしないように生活を見直す必要があることは言うまでもありません。

それと同時に、認知リソースを消耗し自制心や正常な判断が働きにくいシーンを把握しておくことも非常に重要です。
特に疲れがピークに達している夜は判断力が鈍るので、この時だけでも刺激の完全カットを実践してください。

認知リソースの重要性は買い物の判断にとどまりません。
このことについて詳しくはこちらのページで解説しています。

③目標を強く意識する

物欲との戦いで自制心を強く支えてくれるのが、お金に関係する大きな目標です。
ここで些末な物欲に負けて支出をすることで、その目標から遠ざかると考えると、支出を踏みとどまりやすくなります。
これが貯金に目標を持てと言われる理由であり、特に目標の無い貯金が長続きしない理由でもあると言えるでしょう。

中期での目標なら車や結婚式、マイホーム購入といったものが一般的です。
ある程度の時季を定めているものなので、遠ざかる代わりにグレードを下げて納得のいかない買い物になる可能性もあります。
または不足分を補填するためにローンを組んで未来の資産を食い潰すなんてこともあるかもしれません。

また長期の目標と言うと自身の老後や親の介護費用といったものでしょう。
これらに不安を抱いている人は多く、しかもその影響が非常に大きいものです。
こうした不安の解消が遠ざかるということは、それだけ長い期間ストレスに晒され続けることになります。

因みにぼくの場合はFIREが目標です。
そして支出することで余計に長く興味のない仕事に時間を使わなければいけなくなります。
ぼくにとって浪費を控えることは投資で手にする未来のお金を作るだけでなく、同時に未来の時間を確保することにもなるのです。

目標は人ぞれぞれですが、何か目標を持つと明確なトレードオフができて支出を抑えやすくなります。

④効果的に使う

支出を抑える方法は、物欲を起こさず殺し続けることだけではありません。
むしろあまりに我慢を強いると、それはそれでストレスになりQOLが低下してしまいます。
ストレスで物欲が爆発してこれまでの努力が全て水の泡になってしまうかもしれません。

そこで考えるのが満足度です。
認識してる人はあまりいませんが、人がお金を使う目的は満足や快楽を得ることにあります。
つまり満足度を最大に享受することができれば、余計な支出を繰り返す必要はないということです。

多くの人が浪費してしまうのは満足度の低い消費を繰り返しているからと言えます。
使わないばかりではなく、逆に(賢く)使うことで余計な物欲が起こらないようにするという発想も重要です。

また満足してるのにそのことに気付けていないという問題を抱えている人も多くいます。
この原因や満足度を中心とした考え方についてはこちらのページで詳しく解説してるので、併せてご覧ください。

⑤様々なハードルを作る

ここまで対策しても欲しいと思ってしまうモノも少なからずあるでしょう。
そこで最後にしたい対策が、できるだけ多くの買い物のハードルを設けることです。
人間の脳はできるだけ簡単にできることを好み、様々な行程がある面倒くさいことを嫌います

習慣化で行動までのハードルを減らさなければいけないのは、脳がめんどくさがらないようにするためです。
逆に余計な支出のように遠ざけたい行動には出来るだけ煩雑な行程を課すようにします。
この効果は手に入れやすさと間食量の関係を調べた研究でも明らかになっています。

①手元に置いておく
②近くの棚に置く
③遠くの棚の中に入れる
④棚に鍵をかける

この4つでは④のパターンの間食が最も少なくなりました。
取り入れやすいハードルは以下のとおりです。

・繁華街や商業施設の近くなど消費に便利な地域に住まない
・ショッピングサイトにクレジットカードや住所などの情報を登録しない
・スマホのパターン認証を複雑にしておく
・そもそも手元にスマホを置いておかない

また買い物の是非を判断するための基準を設けておくことも重要です。
これは単純にフィルターにかける手間を増やすだけでなく、「効果的な消費か」という判断にも役立ちます
ぼくが採用し、かつ人にオススメしてる買い物の判断基準は以下のページで解説してるので、参考にしてください。

⑥すぐに決断しない

何かを欲しいと思っても時間を置いてすぐに決断しないことが、余計な支出を抑えることに繋がります。
それは欲望に波があるからです。
ダイエットや勉強などのモチベーションと同じで、物欲も発生したタイミングは過剰なほどエネルギーがあります
この「欲しい!」という衝動的な欲望に従って行動してしまうと冷静な判断が出来ません。
結果としてお金にまつわる様々な心理的なトリックにも引っ掛かりやすくなります

しかしちょっと時間を置くと、この欲望の熱を冷ますことができるのです。
ぼくの場合は楽天市場をよく利用しますが、次回の大規模セール期間が来るまではブックマークにとどめておきます。
その時まで「必要だ」という認識のまま変わらないものもありますが、3個に2個くらいは「なんで欲しかったんだろ?」と思い結局は買いません。
最初の衝動に従って買うと後で後悔するモノが確実にあるということです。

中には配送の期間も考えるとそんなに待ってられないという緊急の案件もあるでしょう。
そういうものでも夜、特に休日前の夜にその判断を行ってポチることだけは止めましょう。
というのも夜は1日の中で最も判断力が鈍っているタイミングだからです。
さらに金曜日など休日前の夜は休日に対する事前期待で気が大きくなってもいます。
認知リソースが十分あるタイミングで必要性を判断するようにしましょう。

まとめ

支出をコントロールするための対策について解説しました。
日本人は身近なはずのお金との付き合い方について恐ろしいほど何も知りません。
自分でお金をコントロールできるという自信がお金に関する心配を取り除くことに繋がります。

中でもお金の使い方、支出のコントロール方法が重要なのは冒頭でも解説したとおりです。
具体的な方法を沢山紹介したので、改めて以下にまとめます。

①メディアとの距離感:物欲を喚起する広告等の刺激に触れる機会を減らす
②リソースの節約:認知リソースを浪費せず自制心を保つ
③大きな目標:重要な目標と支出のトレードオフを明確にする
④上手く使う:満足度の高い消費ができれば余計な物欲は起こらない
⑤ハードル:段階を踏むほど面倒になり諦めやすくなる
⑥冷却期間:発生した瞬間の欲望は過剰なので、適正な判断が出来るようになるまで時間をおく。

これら全てを実践すれば、かなり支出を抑えることができるはずです。
そして買い物が減ることのメリットはお金の心配の解消や支出の削減だけではありません。
そのことについてはこちらのページで解説しています。

準備中

ただ完璧に実践するのはあまり現実的ではありません。
特に広告などは世の中に溢れかえっているので、刺激に触れないようにすることは世捨て人や仙人にでもならない限り無理です。
意識的にメディアから離れてみるようにする、ムダな判断をしてないか時々振り返ってみるとかでも、全くやらないのに比べたら十分と言えます。
ストレスになって物欲が爆発する方が問題なので、少しずつ習慣にしていきましょう。

てなとこで。