【FIREとは?】経済的な自立・自由がもたらす効果と達成法|絶対に目指すべき!

2020年ごろから話題になりつつある、FIREというものをご存知でしょうか?
一大ムーブメントにもなったので、中身は知らずとも言葉くらいは耳にしたことがあるはずです。
この考え方は一部のお金持ちや高給取りだけに関係がある話ではありません。
むしろぼくを含めた大多数の一般庶民がお金持ちになる上で非常に重要な事実を教えてくれるものです。
そして実際に目指しているぼく自身がFIREから非常に多くの学びと恩恵を受けています。
このページではFIREとは具体的にどんな考え方なのか、そのメリットや実践法について解説します。

1 FIREとは何か?

FIREとはもともと米国から広まった考え方で、ガンガン稼いでガンガン使うという大量消費社会の反動から生じたものと言えます。
FIREとはFinancial Independent Retire Earlyすなわち「経済的自立による早期リタイア」の頭文字を取ったものです。
意味は読んでそのまま、経済的に自立することで働かなくても生活していける状態を達成するということ。

日本では特にこの後半の早期リタイアの部分がクローズアップされがちです。
いかに日本人が嫌々働いていて、仕事を辞めたいと思っているかがよく分かりますね。

確かに「早期リタイアするにはいくら必要?」とか「辞めた後どうするのか?」とかよく聞くよね

しかしFIREの本質は早期リタイアではなく、経済的自立にあるというのがぼくの考えです。
早期リタイアは、あくまで経済的自立を達成した先にある選択肢の1つに過ぎません。
そしてその肝心の経済的な自立とは、株や不動産などの資産から得られる収入が生活費を上回っている状態を言います。

つまり働かなくても資産収入だけで生活できるってこと

辞めた後の余生を何に使って過ごすのかの正解は個人によって異なりますが、経済的自立を目指す意義や方法は万人に共通です。
ここからはFIREの中でも主に経済的自立から得られるメリット、その具体的な実践方法について解説します。

2 FIRE・経済的自立のメリット

文明の中ではお金が無ければ生きていけないため、人間は誰しもお金に強く影響され、行動を縛られています。

ほとんどの人がほぼ無意識にだけどね

そのため経済的自立が人生に及ぼすインパクトもそれだけ大きなものになります。
経済的自立によって受けるメリットは以下の4点です。それぞれについて簡単に解説していきます。

①仕事の選択肢が広くなる
②人生の目的を考えるキッカケになる
③ストレスから自由になる
④成功への好循環が生まれる

2-1 仕事の選択肢が格段に拡がる

FIREの早期リタイアの側面がやたらにクローズアップされることからも、日本人の多くが嫌な仕事をしていると分かります。
何故そんな嫌な仕事、つまらない仕事をしなければいけないかと言えば食うため、生きるためです。

いわゆるライスワークってやつね

つまりお金の心配がなくなれば、稼げるだけでやりたくもない仕事から足を洗い、好きなこと・やりたいことを自由に選択できるようになります。
特にこれと言って仕事としてやりたいことが無い人なら、先の早期の完全リタイアも選択肢になるでしょう。
つまり何を仕事にするかの自由と同時に、働かないという自由も手にできるということです。

また一般的に給与は都市部の方が高いですが、給料の多寡を考える必要がなくなればこうした制約もありません。
そのため、地元に帰ったり、地方や国外のリゾート地に移住するといったように、住む場所の自由も手に入ります。

2-2 人生の目的を考えるキッカケ

一般的な社会人が仕事に費やす時間は1日、1年、生涯の大半を占めます。

定年まで働くだけで人生全体の実に4割くらいは働くことになるよ

そんな膨大な時間をお金のため、食うために費やしてるとは思いたくないので、多くの人は後付けで仕事に意義ややりがいを見出していきます
その「やりがい」に費やす時間が非常に長いため、「仕事の意義=人生の意義」として無意識かつ自動的に設定されているのです。

しかし本来の人生の意義や目的は嫌々やってる仕事の中にはありません。単にそう思い込もうとしてるだけです。
経済的自立に向けて歩み始め、達成が近付くにつれてこのことを身に染みて感じるようになります。
そして本当の自分の人生の目的は何なのか、本当は何をやりたいのかを考えるキッカケを与えてくれるのです。

宝くじに当選した人は総じてあまり幸福にならないと言われています。
理由は様々ですが、一気に大金を手にして経済的な自立に達してしまうので、目的を考える時間的余裕がありません。
結果そのまま仕事を辞めても、やることも目標もなく虚無感しか残らないことも不幸の一因でしょう。

2-3 ストレスからの解放

ストレス社会と言われるとおり、人は日常的に様々な対象から多くのストレスを受けて生活しています。
その中でも非常にインパクトが大きいのが人間関係から生じるストレスです。
人間関係が負債・重荷になってるなら人付き合いを断捨離することで心身ともに軽くなります。

しかし職場の人間関係はそう簡単にいきません。
仕事は生活のためであり、それに付随する人間関係を捨てることはそのまま生活の糧を捨てることになるわけです。
つまり簡単には逃げられないということで、その閉塞感がよりストレスを強くしてしまいます。

しかし経済的自立を達成すると仕事に執着する必要がなくなり、逃げるという選択肢が手に入ります。
実際に逃げるという手段を取るかどうかはさておき、その自由があると実感することで心はかなり軽くなります。
ぼくは仕事もつまらないし通勤電車も大嫌いでしたが、自立が近付き「いつ辞めてもいいしな」と思えるようになってからはかなり気楽になりました。

お金で解決できるストレスにお金を使うことを推奨していますが、人生最大のストレス要因もまたお金で片付けられるということです。

2-4 成功の好循環

こうして経済的な自立が実現できると、選択の自由が生まれ、ストレスからも自由になれます。
そしてその自由が幸福感や健康を増進し、思考がクリアになってアイデアが生まれやすくなります。

また収入が生活に直結する状況だと、失敗が怖くて行動が委縮してしまうことも多いでしょう。
確実に成功できることしかやらないというのは安全ですが、自分で踏み固めた地面の上で足踏みを続けるだけに等しい行動です。
言うまでもなく進歩は絶対にありません。
「成功にはリスクを取ることが必要」と言われますが、失敗の恐怖を抱えつつも踏み出した人だけが進歩の可能性を手に出来るのです。

しかし経済的な自立に達していれば、多少のミスで自分の評価や昇給・昇格のチャンスを棄損する可能性がそもそもリスクになりません。
つまり何も恐れることなく、主観的にはリスクフリーで挑戦ができます。
これは失敗したらプラマイゼロ、成功すればプラスというほぼ無敵の状態です。

3 FIREの実践法

ここまで解説してきたことでFIREの魅力を認識してもらえたんじゃないでしょうか?
そうなると今度は具体的なFIREまでのロードマップ・実現法が気になるはずです。
最後にFIREを達成するための手順を紹介します。

ガッツリ稼いでサッサと辞めるって感じでしょ?収入が低い自分には無理だよ…

確かに収入の多寡はFIRE達成までにかかる時間には影響しますが、実現の可否には影響しません
収入が少ないと思ってる人も諦めずに先を読み進めてください。

3-1 生活水準のダウンサイジング

冒頭でも解説したとおり、経済的な自立とは資産所得が支出を上回っている状態のことを言います。
つまり一定量の資産を築くことが必須で、そのためにはまず基本の貯金からです。

貯金とは収入と支出の差し引きなので、収入を増やすか支出を減らすかというシンプルな2択になります。
しかし平均年収が上がりにくい現代の日本において収入を増やすのは簡単ではありません。
しかも収入が増えれば増えたリソースを使い切るように支出が膨張する傾向があるので、差額の貯金が生まれないことも多いです。

有名なパーキンソンの法則ってやつね

それに比べると生活費のダウンサイジングは、収入の増減や多寡にかかわらず誰にも実践できる確実な方法です。
自分の支出を把握し、不要な支出を削っていくことで本当に必要な生活費を把握しましょう。
支出をコントロールする具体的な対策はこちらのページで解説しています。

ぼくがオススメするのは、いわゆるリーンFIREと言われるタイプのものです。
まずは住居や通信など効果がほぼ永続する固定費から始め、細かな浪費までメスを入れていきます。
さらにiDeCoやNISA、ふるさと納税などの税優遇を活用し、同時に確定申告について知識をつけムダな税金を払わない対策も必要です。

このブログでも、こうした各種の対策について解説しているので参考にしてください。

3-2 必要な資産額を把握する

次にダウンサイジングした現実的かつ最低限度の生活費からFIREに必要な資産額を把握します。
年間の必要額を月額の12倍で計算する人もいますが、できれば過去数年のデータから年間の支出額を把握するようにしましょう。
慶弔やイベントなど月によって支出額にバラツキがあり、サンプルにした月の支出によって、必要資産額を過小・過大に見積もってしまう可能性があるからです。

そして必要資産額は4%ルールを基に計算します。
これは資産を年間リターン5%で運用すると仮定し、その範囲内に生活費を収めるという計算です。
計算式にすると「生活費 = 資産額 × 4%」という関係で、必要な資産は年間生活費の25倍となります。
つまり年間生活費を下げることは貯まるスピードが速くなると同時に、必要な資産額も少なく済ませられる、FIREが近付くということです。

もちろんこの計算は絶対ではありません。
より消極的な運用で年間の予想リターンを4%とし、資産額の3%で生活するという場合は生活費の約33倍の資産が必要になります。

自分のリスク許容度や資産構成から得られる予想リターンに合わせて計算してみましょう。
好きな仕事で収入を得つつのサイドFIREという形態なら多少甘めに見積もってもOKです。
しかし完全リタイアとなると、かなり保守的かつ厳格な算定が必要になるでしょう。

またこのように生活費をベースに資産額を計算するため、生活水準のダウンサイジングは現実的なものである必要があります。
今後も確実に継続できる水準でなければ、資産から得られるリターン内で生活を成り立たせることが出来ないからです。

3-3 投資する

経済的な自立のためには、お金を貯めるだけではなく株や不動産などで運用していかなければいけません。
超超超超低金利(0.001%)の普通預金に預けているだけでは、来世になっても経済的な自立には到達しないでしょう。

1千万円預けて晴れて年利100円とは泣けてくるね

マネーリテラシーが絶望的に低い日本では、投資をギャンブルだと勘違いしてる人が非常に多いですが、それは間違った理解です。
資産額の上下はありますが、適切にリスク分散すれば決してギャンブルではありません。

IPOとかFXとか仮想通貨はギャンブルだけどね。仮想通貨なんて資産性すら無いし。

物価上昇が緩やかで目に見えにくい速度で進んでるせいでほとんどの人が実感してないですが、預貯金は足踏みではなく後退です。
まさに日本人の多くが茹で蛙の状態と言えます。

個別の株は倒産などのリスクがありますが、広く分散された投資信託などであればリスクを抑えつつ運用ができます。
もちろん投資信託の選び方には注意点やポイントもあるので、それについてはこちらで解説しています。

また投資を始めたばかりの頃は数円の上下にも敏感に反応してしまいますが、投資で成功するためには無関心であることが重要です。
投資信託の場合は足掻いても仕方ないので、潔く意識の外に追いやることが出来る点もメリットと言えます。

想定のリターン5%は配当だけじゃなくて値上がり益を含んでるから売買も多少は必要なんだけどね

お金を貯めていくと同時に少しずつ投資の勉強もしていきましょう。
投資で得た利益にムダな税金を払わないよう、税金の仕組みもしっかり押さえておくことが重要ですね。

まとめ

FIRE、経済的な自立のメリットとその方法について解説しました。
ほとんどの人がお金に無意識に決断や意志を拘束されていて、そこから自由になることは想像以上に大きな解放感が得られます。

また働かなくてもいい自由が近付いてくるごとに、不思議と働くのが苦痛じゃなくなってきます。
他の何よりもこの自由というのがFIRE最大のメリットです。
何となくの不安に備えるためだと貯金が続かない人が多いですが、大きなメリットがあるFIREは貯金をする明確な目的になるでしょう。
また貯金が出来ないのは目標金額が漠然としてることも原因の1つですが、FIREの考え方なら必要資産額が明確になる点でも有効です。

ぼく自身も服や交際費に多くのお金を浪費していた人間ですが、今はFIREただ一点だけを見据え、支出を厳格に審査し資産構築に邁進してます。
他人には全くオススメしない厳格な支出の締め付けをしたので、最初は物欲が爆発する可能性を心配してました。
しかし経済的な自立のドアが徐々に開いていく中で、差し込む自由という光の方が遥かに魅力的で、そんな心配は今となっては皆無です。
本気で目指したいという人は徹底的に生活水準を切り詰めてみても良いかもしれません。

てなとこで。