【情報収集】ニュース・新聞は不要|役に立たないゴミ情報と知識を区別する

就活時期になると大学生が急に真面目くさって日経新聞とかを読み始めるのってけっこう面白いですよね。
電車で見かける一種の風物詩だと思ってます。
そして就職決まった途端パタリと読まなくなるという分かりやすさというか潔さというか、それがまた面白いんです。

性格悪いな

ただ今回の内容は就活生が新聞やニュースを見る意義について議論するモノじゃありません。
それよりもっと広くみんなニュースとか新聞って見る必要ないんじゃないか、というより見ない方がいいんじゃないかというお話です。
もちろんメリットがある部分もありますが、圧倒的にデメリットの方が大きいと思っています。

ほとんどのニュースが自分に関係ない

毎日のように朝や昼のワイドショー、夕方や夜のニュースを観て、新聞を読んでる人に質問です。
その中で自分に関係のあるものはいくつあったでしょうか?
恐らく多くの人にとってほとんどのニュースが関係ないと思います。

政治家の失言、芸能人の不倫疑惑、飲食店のバイトの動画、遠く離れた地域の豪雪情報など。
もっとドライに言えば、高齢者ドライバーによる交通事故やどこかの学校でのいじめ自殺、通り魔殺人事件などの痛ましい報道も無関係です。
このように興味や野次馬根性を持ってしまう情報の範囲を関心の輪と言い、現代人はこれが膨張しています

この関心の輪の拡大にはメディアの報道の影響もあります。
センセーショナルな事件や事故ほど人が夢中になって見ることをメディアは知っていて、これらをしつこいくらい繰り返し報道してるからです。
ニュースも観ないし新聞も読まないぼくでも、どんな事件が話題になってるのか嫌でも知ることになるほどです。
そんな関係のない情報を何度も繰り返し観るくらいなら、一度観た映画を観返したり、本を読み返す方がよっぽど生産的だと思います。

もちろんこれらの事件・事故は当事者にとっては非常に深刻な問題であることは承知で、それ自体が些末な問題とは思っていません
ただ既に起きてしまったこと変えようがない事実であり、たいていの場合は自分が何か力になれたり解決出来ることでもないことが大半です。
この「自分の力で変えられるかどうか」という観点を関心の輪に対して影響・能力の輪と言います。

ニュースを観るほどバカになる

こういうニュースを観ることの問題は単に時間がムダというだけに留まりません。

既に述べた通り、センセーショナルなものや地位のある人の問題や事件ほど繰り返し報道される傾向にあり、それは視聴者の注意を引き付け感情を動かすからです。
激情・情動とも言うように感情が行動に及ぼす影響は大きく、少なからず冷静さを失わせます。
ポジティブなニュースよりネガティブなニュースが多いのも、ネガティブな感情の方が力が強いからです。

「何でこんなバカなことするんだろうねー」とか「議員のくせにけしからんな」とか悪いニュースの話をしてる人の方が多いよね

そして問題はネガティブな感情は強い力を持つために思考力、すなわち認知リソースを大きく消耗するという点にあります。
認知リソースについては以下のページが詳しいですが、簡単に言えばこれは脳の体力のようなものです。

思考や判断、自制心や感情の処理など様々なことで消費されるので、ビジネスやコミュニケーションなどなるべく重要なことに傾ける必要があります。
そんな有限で貴重なリソースを自分に関係なく、しかも生産性もないことに使うなんて非常に不合理です。
こんなムダな感情や思考にリソースを割いたせいで重要な決断・判断が鈍るようでは救いようがありません

SNSやテレビは無料なだけまだマシな方で、新聞や週刊誌は購入費用もかかります。
役に立たず思考を浪費するだけのムダな情報を得るためにお金を払うなんて悪夢のダブルパンチです。

またニュースやワイドショーなどが特に顕著ですが、これらはテレビCMという別の刺激にも晒されることになります。
無用な支出をしたり、物欲を喚起しないための最善の方法はそもそも情報に触れないことです。
ムダな思考をするだけでなく、付随してムダな支出までしてるようでは、全てのリソースをテレビに捧げてると言っても過言じゃありません。

因みに投資をしてる人は「経済状況などはウォッチしておく価値がある」と考えてるはずです。
ぼくも投資をしていますが、個人的にはこれも要らないと思います。
というのも投資は情報に触れるほど人間の心理という弱点が露わになっていくからです。
どんなに知識や理論で武装していようとも心理の前には手も足も出ず、愚かな行動に走ってしまいます。
こういう点でもニュースは頭を悪くすると言えますね。

情報と知識は区別すべき

ニュースや新聞を日頃から観ていて時事に精通してる人を「知識がある」「博識だ」と評することがありますが、実はこれは正しくありません。
情報と知識は混同されがちですが実際は似て非なるもので、この場合は「情報通だね」と表現するのが正確です。

知識:ビジネスや日常生活において長く活きるモノ
情報:時間が経つごとに重要性を失っていくモノ(=生もの)

人生の限られた時間の中で得るならば、一過性の情報よりも長く活かせる知識・知恵を身に付ける方が圧倒的に効率的です。
事件や事故、災害などが起こると人の危機意識は高まりますが、多くの場合がその効果は一時的です。
そうした事件・災害による意識の変化が持続するのは長くても数か月程度でしょう。
こんな短期間の意識の変化など無いに等しいです。
つまりその後の行動が大きく変わらないのであれば、ただ知ってるだけで、すぐに使えなくなる単なる情報ということになります。

これは読書とかにも通じるね

通り魔殺人事件を見たのをきっかけに、護身術を身に付けたり「今事件が起きたらどう逃げるか」を常に考えるようになるというなら意味があります。
飲食店の厨房の衛生状態やバイトの勤務実態を見て外食をやめるというのもその1つ。
しかし99%の人は護身術は習わないし、「うわーこんなバイトいるのか。やだなー」とか言いながら今日も変わらずファミレスや居酒屋に行くわけです。

このように同じニュースを見てもそれを単なる情報にするか知識にするかは受け手次第なとこもあります。
しかし誰がどうあがいても単なる情報でしかないモノは多量にあるので、まずはそういうムダだけでも削減していきましょう。

情報は取り方が重要

これまでニュースや新聞を読む習慣があった人が、急にこれらを観ないようにするというのは不安を感じるかもしれません。
使える有用な知識かすぐに腐ってしまう単なる情報かに関わらず、これまでの習慣を失うことは損失と脳が認識するからです。
これは生活水準を下げられない理由などにも関係する授かり効果(保有効果)という現象に由来します。

まず単なる情報にしかならないものを脳内に取り入れるのはムダなので、カットしても問題は全くありません。
それで失うものと言ったらご近所や同僚との無くても困らないくだらない雑談のタネくらいでしょう。

ニュースの約9割5分はゴミ情報ですが、ニュースや新聞の中にも知識となる有益な情報が含まれていることも確かです。
ただニュース番組・ワイドショーは自分の興味とは関係なくテレビ局が決めた順番・尺で垂れ流されるので、情報を効率的に取捨選択することは出来ません。

そこでオススメしたいのが自分にとって重要な情報だけを能動的に取りに行く仕組みの構築です。
政治、国際情勢、経済などのマクロ情報だけでなく、自分の親が住む地方の天候や災害情報なども含めていいでしょう。

これらはそれぞれ個別ジャンルに特化したメディアやキュレーション(まとめ)サイト等もあると思いますが、ぼくのオススメはGoogleアラートの設定です。
このGoogleアラートは設定したキーワードの新着情報だけを自動で通知してくれるサービスで、情報収集に非常に重宝します。

注意点はあまりに漠然としたキーワードで設定すると通知が鳴りやまず、本当に重要な情報を取り逃してしまうリスクが高まることです。
「こうこうこういうことに使うからこの情報が必要」と必要性・目的をしっかり定義すれば、自ずとキーワードの絞り込みはかかってくるでしょう。

また日常的にも自分に必要な情報に目が向くようセンサーを張っておく必要があります。
このセンサーはスキーマとも言われ、脳科学で言うところのカラーバス効果を働かせるためのものです。
スキーマを作る方法は非常に簡単。自分の目標や課題を明確にし、その目標を声に出すこと、コミットメントやアファメーションです。

ついでに言うと最近のエビデンス重視傾向は「使える知識を使える形でくれよ」的な考え方だという印象を受けます。
そうして得た情報を知識に変換するのは自分自身の役割ということを覚えておきましょう。

「甘えるな。世間はお前らの母親じゃない。」という素晴らしい名言を送りたいね

まとめ

ニュースや新聞を(受動的に)見ることがいかにムダなことであるかを解説しました。
たいていの事件や事故は自分とは無関係なことです。
無関係というとややドライに聞こえますが、言い換えるなら影響の輪の範囲外と言えます。
つまり自分に影響を及ぼさないし、自分がそれに何か影響することも出来ないということです。
そんな考えるだけ無意味な対象から負の感情やストレスを受けて、大事なことに脳のリソースを割けないなんて愚の骨頂。

被害者本人や遺族にとって「世間の声」という後ろ盾の存在は心強いと思います。
「そういう世間の声が無くなっても良いのか!」という声も聞こえてきそうですが、心配いりません。
あなた1人が抜けたとしても誰も気付かないくらい大量にそういう大衆はいるからです。

自分のこともままならないくせに他人の心配や攻撃をしてる場合じゃありません。
最優先は自分のこと。他人の心配は寄付や慈善事業に注力する余裕のある資産家レベルになってからで十分です。
自分にとって必要な「知識に化ける情報」だけを取りに行くことから始めましょう。
てなとこで。