【ほぼ全員ミスってる】目標達成のための対策設計の方法|変えべきは意識ではない

目標の設定方法を間違えている人が非常に多く、その正しい方法について解説しました。

そこで次に重要になるのが、目標を達成するための行動・対策の設定です。
ダイエットや貯金などが最たる例ですが、多くの人がその目標を達成に逆行する行動を避けようとします。

「○○を食べない」とか、「××に行かない」とかね

この何かを「しないようにする」というのは意識に対するアプローチです。
しかしこの多くの人がやりがちな方法では目標達成が上手く行かない可能性が高くなります。
このページでは目標達成のための具体的な対策の正しい設定方法について解説します。

1 意識を保つのは難しくかつ逆効果

冒頭でも述べたとおり、「○○しないようにする」という対策には大きく2つの問題があります。
この対策は意識の変革です。
意識が変われば行動が変わる、意識が行動を規定するという考え方が一般的なので、これはある意味当然の思考と言えるでしょう。
しかし意識を保つのには脳のリソースを使うので、余裕がある時は出来ても忙しかったりストレスがかかると途端に破綻してしまいます。

シンプルに忘れるってこともあるしね

もう1つの問題が「しない」という思考が逆にその対象をクローズアップさせてしまって逆効果になることです。
例えば「ダイエットのためにお菓子を食べない」という対策を立てたとします。
すると「お菓子はダメ」「お菓子は太る」などと考えるようになり、「お菓子」が常に頭の片隅を常に占拠するようになります。

「白いものを可能な限り多く列挙してください」と言われた時、「シロクマ」という例を与えられたグループは何も提示されなかったグループより著しく成績が低下します。
これは「シロクマ以外の白いもの…」と考えることで脳のリソースの一部をシロクマに占拠されてしまうからです。
このように「○○以外を考えろ」「○○は考えるな」と言われるほどその対象を意識の外に追い出せなくなります。
心理学的にはリアクタンスカリギュラ効果と言われるもので、禁止されるほどその対象への欲求は強くなるのです。
食品の場合は特に食物渇望という現象として知られています。

何かを避けたい時、最も簡単で効果的な対策は物理的に遠ざけ意識の外に出してしまうことです。
我慢には脳のリソースを消費するので、時と場合によっては抑え込むのに非常に困難が伴うこともあります。
しかしそもそも目に入らなければ、端から我慢という勝負で消耗すること自体が不要だということです。
つまり「○○はダメ」と意識を保つことで、その対象をわざわざ頻繁に思い起こさせてしまう点でこうした対策は非常に不合理と言えます。

2 やるべき具体的な行動に目を向ける

意識に頼るしかない「○○しない」という対策は効果がないどころか、逆効果にすらなり得るというのは既に解説したとおりです。
ではどのような対策が正しいのか?それは「△△する」という具体的な行動で対策することです。
ダイエットなら「ジャンクフードを食べない」という禁止・意識の代わりに、「全粒穀物や野菜を多く食べる」という行動を対策にします。

2-1 具体的な行動が意識を変える

実際に手を動かすという行動をとることは意識と違って不安定じゃありません。
そして具体的な行動を起こすことが意識の方も自然に変えていくのです。

脳は考えと行動が一致しない状況(認知不協和)を嫌うもので、この不釣合いな状態を何とか解消しようとします。
実際に起こした行動という事実は変えようがないため、意識の方をそれに合わせて変化させることで帳尻を合わせるのです。
つまり「健康的な食事を摂ろう」とか「不健康な食事を避けよう」とか考える暇があるなら、とりあえず健康的な食事を摂る方が圧倒的に効果的ということ。
そうすれば意識が勝手に健康的なものの方を向くようになります。

カラーバス効果とか確証バイアスってやつね

そしてこの行動は目標と全く同じ次元の逆方向である必要はありません。
例えば禁煙が目標の場合「タバコを吸わない」を具体的な行動に置き換えるのはかなり難しいと思います。
しかし広く禁煙の目的で考えれば、目指すところは恐らく健康ではないでしょうか?
だとしたら食事や運動、睡眠などの生活習慣といった健康に資する行動をプラスすることで意識全体を健康に向けていけばいいのです。
タバコに限りませんが、禁止したい対象にフォーカスするより、もっと根本的な目的に沿うように意識をシフトさせるように行動を設計していきましょう。

2-2 辛い時こそ笑え

因みにこの認知不協和を利用した手法はダイエットに限らずストレス解消などメンタル面でも効果を発揮します。
行動が意識を変えることは様々な研究でも実証済みです。
胸を張って脚を大きく開くパワーポーズを取った人は、気分が前向きになり、行動力が上がり、テストステロン値が上昇していました。
一方で背中を丸めて身体を小さく見せる弱者のポーズを取った人は弱気になり、不安傾向が強く、コルチゾールレベルが上昇していました。
行動は気分だけでなくホルモンの分泌量まで変えてしまうのです。
また行動が内面を規定すると言えばスタンフォード監獄実験も有名でしょう。

よく言われる「辛い時こそ笑え」ってやつもこのメカニズム

これは「笑う」という楽しい時にする行動をとることで、それに合わせるように思考が幸福にシフトするからです。
ただし笑顔の形を作るだけで筋肉の刺激がフィードバックされて幸福になるというのは研究で否定されてます。
なので笑顔という形を作るのではなくバラエティーやコメディを見て実際に笑う方が良いでしょう。
辛い時にコメディを観る気分になれないという人が多いと思いますが、思い切って実践してみると段々と笑えてきます。
いずれにしても何かをしないようにするという意識より、具体的に何かをするという行動に重点を置くことが効果的です。

3 行動を強化するアメとムチ

人間に限らず、脳は非常にシンプルな仕組みで、快楽を求めて苦痛は避けようとします
この仕組みを上手く使うことで目標に向けた対策をより実効的なモノにできるでしょう。
日本人はストイックな人が多いのか、ダイエット当初のモチベーションのなせる業か、「弛んだ身体にはムチ打つくらいがちょうど良い」と思うのか。
理由はどうあれ、目標に向けた対策を補強するためにムチ、つまり違反した場合のペナルティを設定する人が多い傾向にあります。

3-1 ムチよりアメが効果的

しかし心理学的、脳科学的に見るとムチよりもアメ、つまり報酬を与える方が効果的なことが多いです。
アメとムチのどちらの方が効果を発揮するかはシチュエーションによって異なります。

具体的には何か好ましい行動をプラスする場合にはアメを、逆に好ましくない行動をカットする場合にはムチが有効です。
そしてここまでの項で解説してきたとおり、目標達成には「○○する」という具体的な行動のプラスの方が効果を発揮します。
つまり好ましい行動とそれを達成できた時の報酬(アメ)をセットで設計する方が効果的ということです。

3-2 与えるアメには要注意

ただしアメなら何でも与えて良いというわけじゃありません。当たり前のことですが注意が必要です。
まずアメはなるべく少量で大きな満足感を得られるモノにしましょう。
そしてなるべくなら目標の遂行を妨げないものであることも重要です。
ダイエットのためにジムに行くことを対策に掲げ、そのご褒美にラーメンを食べていたら一進一退どころか恐らく全速力で後退してしまいます。

それをキッカケに欲望が爆発して戻れなくなるリスクもあるしね

洋服や新作のコスメを買うとか別ベクトルでアメを設定した方が良いです。
しかし必ずしも全員が別分野に欲求を持ってるわけじゃないので、仕方ない面もあります。
そういう場合は少量で満足できるよう頻度を工夫するといった対策を講じるようにしましょう。

まとめ

目標を達成するための具体的な対策の立て方について解説しました。
多くの人がやりがちな「○○しないようにする」という意識に重点を置いた対策は思ってる以上に実効性に乏しいものです。
モチベーションに頼るダイエットや勉強と同様に、意識の力に頼るのも非常に不安定と言えます。

実効性を持たせるためには具体的な行動を起こすこと、そうすることで意識の変化が後から自然と着いてきます。
その行動を強化するためにも効果的なアメを用意することも重要です。
なるべく少量で効果が高く、目標の進行を妨げない報酬を探すようにしましょう。

目標を正しく設定し、その達成のための具体的な行動・対策を設定する方法まで解説しました。
そこで次に課題になるのがその行動の継続です。恐らくここで多くの人が悩むことでしょう。
継続のコツについては以下のページで詳しく解説してるので、ぜひ参考にしてください。
てなとこで。