【脱・決断疲れ】些末な判断で思考を低下させない4つの対策

現代人は思考をムダ遣いしています。どんなに必死に勉強しようともそれを使う思考力が落ちているのでは何の意味もありません。
認知リソースをしっかり回復し、節約しながら、重要な決断に優先的に配分する必要があります。
全てのプロセスへ配慮する必要がありますが、中でも些末な決断やムダな思考に割かない節約の視点は特に重要です。
このページでは日常の些末な決断や思考を要するシーンとその対処法について解説します。

仕事や家の都合などで全てを実践するのは難しいという人も多いでしょう。
決して完璧主義になろうとせず、できることから習慣にしていくようにしましょう。

完璧主義のせいで抱えがちなストレスこそ認知リソースの敵だからね

1 決断を節約することの重要性

まずは認知リソースの有効活用において、なぜ決断の節約がとりわけ重要なのかを解説します。
Facebookのマークザッカーバーグ氏やアップルのスティーブジョブズ氏が、同じ服を何枚も持っていたことは有名な話です。
こうすることで毎日の服選びや、どの服を買うかという些末なタスクに起因する判断の削減になります。

現代人の抱える決断疲れは非常に深刻です。
決断と言うとモノの購入や人生・進路の選択など、何か大きなものを想像しますが、そういった大きなものだけではありません。
人間は気付かないうちに些細な決断をしており、そうした小さな判断などを合わせると非常に膨大な数になります。

ケンブリッジ大学の研究によると1日に平均35,000回も決断してるらしいよ

夕方や夜に正常な判断や自制心が働かないのは、朝起きた瞬間からこれだけ膨大な思考をしているせいです。
どんなにリソースを回復したとしても端からムダな決断に奪われていたのでは、高度な判断などに適切に振り分けることはできません。

また入ってきた情報について考えない・判断しないようにするというのもムダな抵抗です。
人間の脳は条件反射的に判断を下してしまうものであり、そもそも「判断しない」という考え自体が既に1つの判断になってしまいます。

つまりなるべくムダな決断や思考を減らすためには、そもそもそういった思考の対象や必要性が生じないようにするしかないということです。
ここからは日常に潜む具体的な決断のムダとマネジメント・削減する方法として以下の4つを紹介していきます。

①情報の遮断 ②To Do・リマインダー ③ルーティン化 ④アウトソース

①不要な情報を遮断する

現代は情報化社会という言葉に象徴されるとおり、非常に膨大な量の情報に溢れています。
情報は玉石混淆で、中には必要なものもありますが、自分の役に立たない質の低いものがほとんどです。

あまり意識していないかもしれませんが、積極的に情報を得ようとしなくても防ごうとしなければ相当な量の情報に晒されます。
つまり必要のない情報は入ってこないよう遠ざけ、防御しなければいけません。
最たる例が新聞やニュースなどで、社会人として必要な情報源だと思われがちですが、実際はほぼ無価値なので不要です。
その理由や正しい情報収集の仕方について詳しくはこちらのページで解説してるので、参考にしてください。

また無意味にネットショップなどのアプリを開いてしまう人もいますが、これもNGです。
1回スクロールするだけで非常に膨大な量の情報が飛び込んできますし、それらに対して一々「要る・要らない」の判断を下して消耗してしまいます。
本当に必要なモノがあるのでなければ無暗にスマホを開かないことです。

些末な対策ですが、ポストに多量に投函されるチラシの類を減らすため「チラシお断り」の表示をするのもオススメ。
鬱陶しいことに貼っても完全には無くなりませんが、1~2割くらいは減ります。

こんなマーケティングは無意味だって早く気付いて欲しいね。ちゃんと効果測定してるんだろうか?

2 To Do・スケジュール・リマインダーをフル活用

やるべきタスクを頭の中で覚えておくのは非常に非効率なので、可視化することは欠かせません。
そして「次に何をやるか?」と悩んだり考えたりするのも非常にムダな思考です。
なので、To Doリストを作る際は思いつくままではなく優先順位に基づいてリスティングしましょう。
優先順位づけやスケジューリングの方法についてはこちらも併せてご覧ください。

そうすることで、実際の作業時は上から熟すだけになり、目の前の作業にリソースを集中しやすくなります。

また日常の決まった行動などはリマインダーなどで通知させる方法もオススメです。
ごみ捨ての日や近くのスーパーのセール日などは直前に通知させるようにしましょう。
ぼくの場合はボディメイクの関係で食べ物も固定されているので、何曜日の何時に何を食べるかもスケジュールして通知させています。
お陰で1日5~6回に及ぶ食事を選ぶというムダな決断をしなくて済んでいます。

ビジネスパーソンならスーツやシャツの組合せなど、何曜日に何を着るかを自動化するのも良さそうですね。
何を自動化させるかは個人の生活に合わせればOKですが、「通知してくれる」と思うと完全にワーキングメモリから消去できるので非常に生産的です。

3 ルーティンを作る

朝起きてから着替え、シャワー、歯磨き…などとやることは沢山あると思います。
これらの決まりきった作業の順番を毎日固定しているでしょうか?
最近はやりの言葉で言えばルーティン化といったところでしょう。

To Doの作成のところでも解説したとおり、「次何やろうかな?」って考えること自体がかなりのムダな思考です。
しかもビジネスや勉強などと違って、これらは特に何の生産性もない活動ばかりです。
こうした日常の動作は考えなくても身体が無意識に動くように、行動の順番を固定してしまいましょう。
どうせ作るなら動線の効率が良いパターンを考えることをオススメします。

また本当に些末な決断でリソースを消耗してしまうので、ルーティンは雑駁にではなく詳細に構築しなければいけません。
シャワーを浴びた後、化粧水と着替えどちらを先にするかといった細かいところまでです。
最初は意識が伴いますが、毎日同じ行程を熟している内にいずれ何も考えずに身体が勝手に動くようになります。
未来のリソース節約のための先行投資と思ってルーティンを身体に刻み込みましょう。

因みに朝の準備に限らず、電車に乗ってからや職場に着いてからの動きなども作っておくと良いと思います。

4 アウトソースする

日常で当たり前のようにこなしているタスクでも、実は非常に認知負荷が高いものがあります。
中でも掃除や料理、食料品の買い物といった家事は気付かないうちに非常に多くの判断をしているものです。
そのことはこれらの家事が認知症予防の脳トレになると言われることからも分かります。

家事が趣味だという人は別として、他にやるべき大事なことがある人は思い切ってアウトソースしてしまいましょう。
家事代行サービス、ネットスーパーや定期購入、便利家電など方法は様々です。
家事代行サービスはコスト的に割高ですが、便利家電ならそこまでコストはかかりません。
中でもロボット掃除機は、掃除がしやすいように部屋を散らかさなくなるので、認知リソースの浪費を抑えるという点で一石二鳥です。
お金の代わりとして、体力や時間の温存、有効活用にもなります。

これらに比べると小さなことですが、モバイルSuicaなどでオートチャージを設定して残高の心配を減らすというのも1つの手段です。
大きなとこだけでなく些末な決断も自動化するようにしていきましょう。

5 完全カットはしなくて良い

ここまで些末な決断の原因を取り除くための方法について紹介してきましたが、「ムダ=悪」というわけではありません。
効率化の視点を持つことは必要ですが、ムダの無い人生には潤いが無いことも事実だからです。
SNSをチェックしたりダラダラYouTubeで動画を観たりする時間も少しくらいは欲しいでしょう。
こうした些末な情報との接触は午後、なるべく夕方以降にすればOKです。
これは家事をアウトソースするコストが惜しい、またはかける余裕がないという人向けの次善の策にもなります。

通常、人間の認知リソースは起き抜けの朝が最も多く、夜に近付くにつれて減少していきます。
つまり、これ以上は高度な判断や思考が出来そうもない状態になってからなら些末な判断に使っても問題ないということです。
翌日のスケジューリングやTo Doの作成などもこのタイミングにやってしまうと良いでしょう。
やるべきことを書き出すことで安心して眠ることが出来ます。

ブレインダンプっていうれっきとした休息テクニックだよ

因みにぼくの場合は服が好きなので、ザッカーバーグ式クローゼットは取り入れられませんでした。
なので翌日着る服のコーディネートは前日の寝る前に考えて用意しておくことを習慣にしています。

夕方以降にスマホなどで多量の情報に接する際の注意点が、ネットショップには気を付けるということ。
夜間は判断力が鈍っているので、ちょっとした物欲に負けて大して必要もないモノを買ってしまいがちです。
もし欲しいと思うモノがあってもその場では決して決断せず、翌日の正常な判断をできる時間に再考しましょう。
しかし午前は買い物なんかよりもっと重要な決断に頭を使いたいので、この流れで買わなくなるということがぼくは非常に多いです。
ムダな買い物を遠ざけられ、結果的にお金が貯まるという点も決断の削減の1つのメリットと言えます。

まとめ

日常に潜む些末な決断を削減する方法について解説しました。
世の中は情報や決断の機会で溢れかえっており、意識的に削減しようと努力しなければ3万回にも及ぶ決断をしてしまいます。
ここで紹介した内容をまとめると以下の通りです。

①情報の遮断:判断してないつもりでも無意識に判断してしまうので、触れさせない
②事前スケジュール:「次に何をやろう?」と考える時間と思考がもったいない
③ルーティン化:生産性のない日常の活動は自動操縦で熟せるようにする
④アウトソース:ストレスを感じること、家事などは意外と認知リソースを浪費する

日中にくだらないことで認知リソースを削らないために、スマホやテレビなどは夕方以降と解説しました。
ここで欲望を喚起する刺激(広告など)に触れるのが危険なのは確かですが、もう1つ注意点があります。
それが睡眠の質に関することです。
これらのディスプレイから発せられるブルーライトは睡眠の質に悪影響を及ぼすので、夜遅い時間にいじるのもオススメ出来ません。
結局のとこ効率的に生きたかったらスマホなんて見るもんじゃないってことですかね?

冒頭でも触れた通り、決して完璧主義になる必要はありません。
意識的に情報を遮断するだけでも十分に効果が感じられるはずです。
できることからコツコツと習慣化し、全ての認知負荷を徐々に小さくしていきましょう。
因みに認知リソースの浪費の削減は有効活用の手段の1つにすぎません。まとめて以下のページで解説しています。
てなとこで。