【気付けばもう年末!?】時間が早く過ぎるのは記憶の薄れが原因|解決策はハイライト

「今年もあっという間だったな」「もう月末か!」などと感じる人は多いと思います。
時間はあっという間に過ぎるように感じ、何かをやろうにも時間が足りないと感じる人も多いことでしょう。
しかし時間は誰しも平等であり、その限られた時間の中で新しいことに挑戦したり結果を残している人がいることも確かです。

ではその違いはどこにあるのでしょう?
そこで時間が足りない問題の1つのカギになるのが、人間の「感じ方」の問題です。
このページでは、時間の不足と個々人の認識の関係、そしてその対策について解説します。

1 時の流れが速い理由

時の流れの速さには客観的なものと主観的なモノがあります。
そう言われてもピンとこないかもしれませんが、「楽しい会は早く時間が過ぎる」「つまらない会議は長く感じる」という経験は誰しもあるはずです。
客観的にはどちらも同じ1時間ですが、主観的な「感じ方」によって時間の長さ変わってると言えるでしょう。

1分は1分という客観的な時間の流れをクロノス時間、主観的な時間の感じ方のことをカイロス時間と言います。
そしてこのカイロス時間こそが「今年もあっという間」現象の正体であり、それを歪めている原因が以下の2つです。

①実力の過信 ②記憶の薄れ

1-1 実力の過信

1時間与えられたらどれくらい多くのことがこなせると思いますか?
家事や勉強など3個か4個くらいのタスクを思い浮かべると思いますが、恐らくそれは完遂できません。
これは予算の誤謬と言われる有名な現象であり、先のことを楽観的に考えやすい傾向のことです。

そしてこの予算の誤謬には自分の実力の過信が関係しています。
時間制限などを行ってタスク管理をしてる人は知ってると思いますが、自分が思ってる以上に出来ることは多くありません。
そのことを把握できていない人は「あれも、これも」と予定を詰め込んでしまいます。
たいていの場合できなくて当然の量なのですが、「これくらいできるはず」と勘違いしていると「時間が足りない」「時間がなんか早く感じる」となってしまうわけです。

1-2 時間を使った記憶が無い

「気付けばもう年末かよ!」と思う人に一度やってみてもらいたいのが、カレンダーを見返すことです。
1年間はさすがにめんどくさいと思うので、1か月分をサラッと見返すだけでもOKです。
そうすると自分が思ってる以上に多くのことをし、それなりの時間を過ごしてきたことを実感できます。

では何故このようなことが起きるのかと言えばシンプルにその記憶が薄れているからです。
これもまた主観的な理由による時間の感じ方の問題と言えます。
自分がそれなりの時間を過ごしていると実感するだけでも、時間の不足感はかなり薄れてくるはずです。

2 主観的な時間の流れに対策する

時間の流れが速く感じる理由が分かったところで、時間が足りないような気がすると思うことは止められません。
この思考に陥らないようにするために出来る対策として以下の3点が有効です。
順番に解説していきます。

①制限時間 ②ハイライト ③新しい経験

2-1 制限時間を設けて作業する

既に軽く触れましたが、自分の実力を正確に把握するには、短い制限時間を設けて自分の実力を把握することが重要です。
あまり制限時間が長いと、何となくそれなりにはやれてるような気がしてしまい、実力を把握することはできません。
短く身近な単位に区切ることによって自分の実力をまざまざと実感することができます。

短い制限時間には集中力のアップなど他にも様々な効果があり、それを実践するのにぼくがオススメする方法がポモドーロテクニックです。
ぜひ試してみてください。

2-2 ハイライト

認識が薄れてしまう最大の原因が漫然と日々を過ごしていることです。
「昨日なにをして過ごした?」と聞かれた時、特にこれと言って明確な予定やタスクが無かった場合は答えに困ってしまうと思います。
つまりこういう日は後から思い返した時の記憶として何も残らないということです。

これは自分の実力を過信してあれもこれもと予定を詰め込んだ結果でもあります。
既に解説したとおり、人は思ってるほど多くのことを熟せないので、予定が多いとどれもこれも中途半端になってしまいます。
欲張って全部を中途半端にするより、何か1つでも着実に完遂する方が時間を有効に使えてるという感覚は強くなるでしょう。

平日だから仕事のこと、休日だから趣味のことと区切る必要はありません。
「今日は確実にこれをやる」という1日のテーマ・ハイライトを決めて過ごすようにしましょう。

2-3 「いつもと同じ」では記憶に残らない

仕事の企画書作成、ジム通い、家族との時間など、ハイライトは何でもOKですが、なるべくなら新しい経験がオススメです。
いつもと同じ生活・行動を続けていると、脳が自動操縦モードに入ってしまうため記憶に残りにくくなります。
年を取るほどに時間の流れを速く感じるようになると言われますが、これは経験の蓄積によって自動操縦になるシーンが増えてしまうからです。

新しい経験と言っても別に毎日新規のアクティビティに挑戦したり、未知の食べ物を食べたりする必要はありません。
なるべく印象的な経験をした方が良いですが、難しい場合はいつもと違う電車の車両に乗るとか、いつもと違う道を通って帰るとかでもOKです。
こうした「いつもとちょっと違う」経験が脳を刺激し、記憶以外の部分も活性化することに繋がります。

まとめ

時間の流れがどうにも速く感じるというカイロス時間の問題について解説しました。
客観的な時間の流れは一定ですが、主観的な時間の流れは本人の捉え方しだいで大きく変化します。
主観的な時間の捉え方に影響する2つの要素が以下の2点です。

①実力の過信:人は自分が考えているほど多くのことを処理できない
②記憶の薄れ:印象の薄い日々を送っていると記憶が薄れ、自分が過ごした時間が短く感じる

「忙しい」「時間が足りない」と思うほどに多くの事柄を一気に熟そうと欲張ってしまうものですが、それが逆効果になります。
どれもこれも中途半端になる上に、「コレをやった」という明確な記憶も残りません。
少数の目標・ハイライトを設定し、それを着実にこなすこと。
これが1日の印象を作ることになると同時に、マルチタスク回避など効率性のアップにも繋がります。

この「忙しい」という感覚を取り除かないと、さらに時間を失うことになるので、気を付けなければいけません。
現代人はどちらかというとこちらの問題に捕らわれてる人の方が多いと思います。
そのことについて詳しくは以下のページで解説してるので、参考にしてください。
てなとこで。

参考文献

ジェイク・ナップ (著), ジョン・ゼラツキー (著) ダイヤモンド社