【財布の紐を締める】お金を使う前に考えるべきこと|クリアすべき5つのハードル

お金を貯める方法や稼ぐ方法についての解説は多いですが、それと同じかそれ以上に使い方は重要です。
何が賢い消費にあたるかは個人の価値観によると考える人もいるでしょうが、実のある消費はかなり限られていると思います。
どんな買い物にせよ本当に買うべきかどうか判断する習慣と正しい基準が必要です。
買い物の判断を誤ることで深刻な悪循環に陥ってしまうからで、こちらのページで詳しく解説しています。

このページではぼくが何か消費をする際に通す判断のフィルターについてまとめて解説します。
具体的には以下の6点です。

①必要性 ②負債性 ③買う以外の方法 ④流動性 ⑤時給

1 そもそも本当に必要?

当たり前でしょ?欲しいと思ったんだから…

このように感じる人が多いと思いんじゃないでしょうか?
しかしほとんどの人が非常に重要な事実を認識できていないため、これを考える必要があります。
その事実とは、「欲しい」と「必要」は明確に異なるということ、そして人間は単なる「欲しい」を「必要」にすり替えるのが得意ということです。

「必要」というのは、「必ず要る」という文字のとおり無くてはならないもののことを指します。
不可欠という言葉で置き換えて考えると分かりやすいかもしれません。
一方の「欲しい」というのも、その文字のとおり単なる欲望です。つまり無くても何の支障もありません。
このように両者には明確な違いがありますが、「欲しいと思う=必要」と誤解している人は物欲に踊らされ続け、大量の浪費をすることになってしまいます。

「欲しい」を「必要」にすり替える仕組みは心理学や行動科学における確証バイアスや合理化といった作用で説明できます。
確証バイアスとは自分にとって都合の良い情報に目が向き、不都合な真実には目が向きにくくなる作用のことです。
そうして得た都合の良い情報を基に、合理化によって自分にとって都合の良い解釈をします。

また刷り込みによって本来は必要ないものを必要だと思い込まされてしまっているケースも多いです。
その最たるものが「普通」という基準でしょう。
しかし「普通」とされるものは、いずれも必要性が個人によって異なります。
「欲しい」という感情へのアンサーにもなりますが、世の中に絶対に必要な必要なモノなんてほとんどありません。
「必要だ」と思ったら、まず「何で?」を3回問うようにしましょう。

2 負債ではない?

人間が持つ資産は①お金②時間③健康の3つしかないとぼくは考えています。
これらは新たに資産を生み出す相互関係にあり、かつそのために不可欠の要素だからです。
そして人生の満足度を向上をさせる消費は研究で以下の3つであると特定されています。

①お金を増やすこと
②時間を増やすこと
③気分を上げること

3つ目の気分というのが身体的・精神的な健康に対応すると考えれば、これらはまとめて資産を増やすことに繋がる消費と換言できます。
つまり資産を増やすことに繋がることに優先してお金を投じるべきということです。

一般的な「消費」「浪費」「投資」って分類でいうところの投資に重点を置くってことだね

反対にこれら3つの資産のいずれかを棄損することになるモノは負債です。
簡単に言えばランニングコストがかかり続けるものを言います。
資産形成ひいては幸福度の増加にマイナスなので、最大限に回避しなければいけません。
負債は買うためのコストだけでなく、保有する間ずっと資産を蝕むことで未来の資産の増加の障害にもなります
買うコストだけでも十分な負担なのに、それ以上の代償を払い続けるほどの価値があるかを考えることは重要です。
基本的にお金に苦労する人はこの負債に多くのお金を使ってる傾向にあります。
よく話題になる家や車の資産性や、資産・負債の定義について詳しくはこちらのページで解説してるので、判断の参考にしてください。

3 買う以外の方法は無い?

3つの資産を増やす以外の浪費には一切お金を使わないというのも面白くないでしょう。
ある程度の合理性は必要ですが、人間には一見するとムダに見える行動や消費も多少は必要だと思います。
つまり最初の項目で解説した、単なる「欲しい」という欲望にもごくたまになら従ってあげても良いということです。

毎回これを根拠に浪費を正当化してるようじゃ論外だけどね

そういった単なる娯楽にお金を使う場合にも、一定の判断基準は必要になります。
それが「買う以外の手段がないか?」という視点です。まずは以下のような手段を検討してみましょう。

・サブスクリプションサービス
・友達から借りる
・中古品をおさがりで貰う

ミニマリストに限らず、モノを所有するメリットや必要性は年々薄れつつあります。
保有することによってそのためのスペースなど追加的にコストが発生することもあるので、特に借りるという手段は有効です。
このことについてはこちらのページで解説してるので、併せてご覧ください。

また既にあるモノを転用したり、DIYすることも考えられます。

こういう視点で生活する方が観察力も創造性もアップするよ

これはモノの購入に限りません。
「運動・ダイエット=ジム通い」と考えがちですが、家から一歩出ればウォーキングもジョギングも出来ます。
家や公園の遊具で自重の筋トレだって出来るわけです。
「何のサービスを使おうか?」ではなく「お金を使わずに出来ないか?」を考えるべきです。
どうしても買うしかないモノについても新品で買う必要があるか、中古品でも問題ないんじゃないかも考慮しましょう。

4 流動性はある?

買う前にもう1つ考えるべきはそのモノの流動性の高さです。
流動性とは簡単に言えば交換のしやすさのことで、お金を中心に考えるなら簡単に売買できるかということになります。
ここで重要なのは要らなくなった時に簡単に手放すことが出来るかということです。

既に解説したとおり、所有には保管スペースなど買う以外のコストも発生します。
つまり要らなくなった時に簡単に手放せないと、メリットは無いのに管理の手間やコストだけがかかり続けてしまうということです。

最近はフリマアプリの市場が活性化してるので売るには困らないと思う人もいるようですが、あまり甘く考えないようにしましょう。
いくら買値の半額で売ってるからと言っても元値が10万円もするモノなら簡単には買い手はつきません。
そもそも調理家電のように中古品を使用するのは忌避されるモノの場合はいくら安くしたところで恐らく売れないでしょう。
そうなると小銭が入ってくるどころか処分のために余計なお金や時間がかかることになります。

ぼくの場合は特に重荷の少ない身軽な人生を送りたいという価値観を持ってるので、こうした簡単に手放せないモノを持つことはリスクです。
ミニマリストになれとは言いませんが、抱えきれないほどモノを持つことはメリットよりデメリットの方が大きいと心得て判断は慎重に行いましょう。

5 命を捧げる価値がある?

皆さんは自分の時給がどれくらいかをある程度は把握してるでしょうか?
時給思考にはメリットとデメリットの両面があることについてはこちらのページで解説しました。

この中で時給について考えることの1つのメリットとして、自分の「労働と命の価値」を知れることだと述べています。
お金とは残りの寿命の一部を差し出すことによって得られるモノです。
つまり命を差し出して稼いだお金で何かを買うということは、それだけの命を差し出す価値がそのモノにあると判断したことになります。
例えば時給1,000円の人が20,000円のバッグを買う場合、そのために20時間分の命(と労働)をこれから余計に差し出すという交換に合意したということです。

給料がバッグで現物支給される契約って見方でもいいね

こう考えると多くの買い物にブレーキがかかるんじゃないでしょうか?
しかも実際の取引はここまで好条件ではありません。厳密な比較のためには実質時給で判断すべきだからです。
一般的に時給は給料を実働時間で割って求めるものと認識されていますが、実際には仕事のために実働以外の時間、そしてコストを負担させられています。

時間:通勤、ワイシャツのアイロンがけ、身だしなみ、靴磨き、化粧 など
コスト:スーツ・革靴、クリーニング、ランチ、間食・夜食、化粧品 など

また当然のことながら税金や社会保険料を除いた手取りベースで計算しなければいけません。
これらを差し引いて算出される実質的な時給は信じられないほど安くなります。
ぜひ実質的な自分の時給を換算しておき、買い物をする際には何時間余計に命を差し出すことになるのか、本当にそれだけの価値があるのかを考えましょう。

まとめ

お金を使う前に判断すべきポイントについてのまとめでした。
まず何より重要なのは本当に必要か?欲望を必要性と勘違いさせられてないか?を問うことです。
そして負債を買うことは値段以上にお金を払うことになることも認識しておきましょう。
またその他の消費ではレンタルや中古品をおさがりで貰うなど、買う以外の方法も検討します。
ついでに要らなくなった時に簡単に手放せるか、そうでないのか、流動性も考慮に入れるべきです。
そして最終的に買うしかないという結論に至ったとしても、すぐに買うのは悪手です。
冷静な判断ができるようになるまでの冷却期間を必ず設けるようにしましょう。

これだけのフィルターを通すと、購入に辿り着くモノはかなり限られることと思います。
何となくアパレルや車、電化製品など大物の買い物を想像してる人が多いと思いますが、日常の小さな買い物でも同様の判断は必要です。

プチプラファッションとか100均とか便利グッズ、収納とかね

「こんなに考えるなんてめんどくさい!」と感じた人も多いでしょうが、それもまた狙いの1つです。
買い物の度にこれだけの思考を要するとなれば、自然と物欲自体が起こらなくなっていきます。
お陰でぼくは月の出費が全体で3万円なんて月もチラホラ。
そもそもの物欲をコントロールする術を知りたいという方はこちらのページもご覧ください。

てなとこで。