「物質消費で幸せになれない」って本当?|モノ消費の満足度を高める5つの方法
皆さんはモノとコト、どちらの消費が多いでしょうか?
多くの人は形に残るモノの消費を多くしていることと思います。
モノの消費による満足度はあまり高くなく、しかもその喜びは持続しないというのが一般論です。
しかしそれは捉え方次第だとぼくは考えています。
そこでこのページでは、モノ消費から得る満足度を高め、かつ持続させるための対策について解説します。
具体的に解説する内容は以下のとおりです。
・価値観に従う
・モノを減らす
・消費機会を減らす
・モノを経験に捉え直す
・自分自身を磨く
もちろんここで紹介する内容は、コト消費にも通じる内容なので、参考にしてください。
1 自分の価値観に従う
科学的に人生の満足度を高めると実証されているものについてはこちらのページで解説しました。
もちろんどれも効果が高いと思われますが、エビデンスは完全ではありません。
自分にとっての満足度は科学よりも自分の価値観の方が、より正確な答えを出してくれます。
つまり自分のこれまでの経験・支出傾向から、どんな消費に意義を見出し満足感を得ているのかを知ることも重要ということです。
ただ言うのは簡単ですが、実際に自分の価値観を正確に知るというのは実は非常に難しいことです。
幼いころからこれまで積みあがってきた刷り込みや思い込みを価値観と誤認している人も多くいます。
かなり根深いから自覚できてない人も多いよ
世間の言う「普通」と自分の価値観を混同した結果、不要なモノ(主に負債)を買わされてしまうかもしれません。
当然のことながら、ほとんどの場合は十分な幸福感・満足感を得られないので、さらにお金を浪費することになります。
この議論において最も重要な「自分の本当の価値観を知る方法」についてはこちらで解説しています。
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2 持ってるモノを減らす
モノが人生の全体の幸福度に影響を与えないということは研究でも確認された事実です。
しかしこの結果は一定の条件下では変化します。
その一定の条件下とは、自分の持ち物にしっかり意識を向けた時です。
ただ漠然と人生全体の満足度を問われた場合、豪邸や高級車といった持ち物は幸福度の高さに影響を与えません。
しかし、これらの持ち物について想起させた上で幸福度を聞くと、良いモノを持つ人の方が幸福度や満足度を高く回答したのです。
いわゆるフォーカシングイリュージョン(焦点効果)ってやつね
つまり自分の持っているモノに普段から意識をしっかり向けられていれば、そのモノによっても幸福度を高めることが出来ると考えられます。
では自分の持ち物に意識をしっかり向けておくにはどうすればいいのでしょう?
やや逆説的ですが、その最も簡単な方法は持ち物の数を減らすことです。
現代人は自分の把握できるキャパシティを大きく超える多量のモノを持っています。
どれだけいいモノを持っていても多量のモノで埋もれてしまうと、注意は分散してしまい、いかに恵まれてるかを実感することが出来ません。
全体を見渡すために、かなり引きで見ることになるから個々のモノがハッキリ見えないって感じかな
ミニマリストは持ってるモノが非常に少ないですが、それはモノの価値を知っているからです。
ただ彼らは最初から価値を見出せたわけではなく、少なくなる過程でモノの価値を見出せるようになっていっています。
そして1つ1つのモノの価値を高く評価できるようになった結果、多くのモノが必要ないことに気付き、さらにモノが減っていくという循環です。
ミニマリストの境地にまで達する必要は必ずしもありませんが、把握しきれないほどのモノに囲まれてる現状からは脱出することをオススメします。
3 消費機会を制限する
どんなに満足感を与えてくれる消費だったとしても、その喜びは時とともに徐々に薄れていくものです。
これには人間の快楽適応(ヘドニックアダプテーション)というメカニズムが関係しています。
簡単に言えば慣れのようなもので、アルコールや薬物への依存と基本的に同じメカニズムです。
「快感が薄れてくるから前よりもっと多く」ってね
人間は喜びでも不快感でも量が増えるごとに受ける刺激は小さくなっていきます。
2杯目以降のビールが1杯目ほど美味しく感じないことを例に想像すると分かりやすいかもしれません。
同じ食べ物を多量に食べるより、色んな食べ物をちょこちょこ食べられるバイキングの方が満足度が高いというのも同様です。
つまり同じ消費を続けていると、得られる喜びが小さく、かつ長続きしなくなっていってしまいます。
これはモノ消費だけでなく、エビデンスで効果が実証されているコト消費を行う場合においても同様です。
そこでオススメしたいシンプルなテクニックが、消費の対象を定期的に切り替えるという方法。
今月は旅行に行く、次の月は良いご飯を食べに行く、その次は欲しかった服を買うといった感じでサイクルする方法です。
このように順繰りすることで各項目の消費の間隔が空き、満足度の低下を予防できます。
定期的に許可されているので、我慢で大きなストレスを抱える心配もありません。
また旅行にせよ服を買うにせよ、「次は数か月後」と思うとリサーチや比較を慎重に行うようになるので、満足度はアップします。
モノの消費は時間が経つと物欲という高熱が冷めて冷静に要不要を判断できるようになるので、その点でも間を空けるのはオススメの方法です。
1つしか趣味がないという場合は空白の月を作るしかないですが、なるべく幅広い興味を持っておくようにした方がいいでしょう。
4 経験に置き換える
モノは新しく買った瞬間こそ新鮮ですが、徐々に既に持っていたモノの山の中に埋もれていき、意識しなくなっていきます。
たいていのモノは所有することが目的になっているので、買った瞬間が満足度のピークになるのはある意味当然のことです。
しかしモノの中には捉え方次第で、幸福度が高く持続するコト消費の側面を持たせることが出来るものがあると考えています。
例えば高価なスポーツバイクは一般的にはモノ消費に分類されるでしょう。
しかし軽快な走りで遠出するのが楽しくなり、サイクリングに出掛けたり、ひょっとすると自転車で日本一周なんかをしたくなるかもしれません。
これは良さという新しい発見と同時に行動の範囲が拡がり、新たな経験にも繋がっています。
普通のママチャリに乗り続けていたらこうした経験は一生することはありません。
また服やアクセサリーなども典型的なモノ消費の形です。
新しいデザインの商品が発売される度、自分の持ってるものが色褪せて見えるようになる人も多いことでしょう。
人の好みは大きく変わらないので、多くの場合は既に持ってるモノと似たようなアイテムのちょっとした違いが気になっているだけです。
こういう場合は新しい発見も経験も無いので、満足度の低い浪費にしかなりません。
これに気付く消費者も増えてるから最近のアパレル業界は苦しいんだろうね
しかし今まで着たことが無いようなデザインやカラー・系統のアイテムへの挑戦なら新しい経験であり、かつ自分に似合う・似合わないの新たな発見にも繋がります。
新しい発見や経験というコト消費の観点で考えることで、モノ消費の満足度を上げられる可能性はあるということです。
フリマアプリやオークションなどモノの流動性も高まっているので、色んなモノに挑戦してみるのも満足度の観点ではプラスかもしれません。
経験に捉え直すというより、新しい経験になるかでモノを選ぶってとこかな
5 自分自身を磨く
全ての消費に通じるわけじゃないので、番外編的に最後に1つ紹介しておきます。
それが健康やボディメイクに力を入れる、すなわち自分自身を磨くということです。
どんなに高価でオシャレなブランド服を買っても、ボディラインがたるんでいれば洗練されたデザインは台無しになってしまいます。
どんなに高価なメイク道具や新色アイテムを買ってみても肌のコンディションが悪ければ、化粧乗りも発色も良くはなりません。
つまり服やメイク道具に魅力がないのではなく、あなた自身に問題があるということです。
見た目に影響するモノ消費の満足度・幸福度を上げる方法として、自分自身(本体)を良くすることは非常に重要な要素になると言えます。
このことは筋トレやスポーツを習慣にして引き締まったボディラインを維持してる人は、Tシャツやデニムなどシンプルな格好でも十分魅力的に見えることからも明白です。
最小コストで最大満足。まさに倹約の精神そのものだね
しかも見た目を良くする行動は、どれも同時に健康に資する行動でもあり、そこからも幸福感を得ることができ、まさに一石二鳥です。
睡眠や栄養バランス、運動などはどれもメリットが健康効果だけにとどまりません。
決して無理する必要はないので、支出の仕方を工夫しながら、同時に少しずつ自分を磨いていきましょう。
まとめ
モノの消費から得られる幸福度・満足度を最大化する方法について解説しました。
改めて紹介した5つの方法をまとめておきます。
・自分の価値観に従う
・モノを減らして個々のモノに意識を向ける
・消費機会を減らして慣れを防ぐ
・経験を基準にモノを選ぶ
・健康・運動で自分自身の魅力を高める
価値観は重要ですが、これまでの自分の消費に必ずしもヒントや正解が隠れているとも限りません。
「価値観こそ絶対」と思い込んで、過去と同じような消費を続けることで満足度がなかなか上がらず、いたずらに支出が増えてしまう可能性もあります。
浪費の継続を正当化するために価値観を引き合いに出してるとしたら論外です。
また自分が想像してるより遥かに多くのモノを持っています。
少し断捨離したくらいで持ち物が把握できるようになるなんてことはまずありません。
悩みながら少しずつでも良いので、その習慣を継続してしっかり着実に持ち物を減らしていきましょう。
消費機会を減らすことは満足度を高めると同時に、支出を減らすことになるので蓄財を進めるのに非常に効果的な方法です。
ただし、単に消費の間隔を空けるだけだと、我慢を強いることになってしまうので、やはり幅広い支出対象を持っておくことをオススメします。
新しい経験になるか?という視点でモノを選ぶことで、モノの喜びと経験による満足の2つを得られるはずです。
最後にオマケでしたが、自分を磨くこと、健康的な行動をとることは消費の満足に限らず重要なことです。
睡眠・栄養・運動などできるところから徐々に習慣にしていきましょう。
てなとこで。
運動が楽しくなりすぎてモノなんか欲しいと思わなくなるかもよ
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