iDeCoにかかる手数料の種類と金額|毎月かかるコストも【手数料無料の落とし穴】

iDeCo(個人型確定拠出年金)は税優遇の面で非常に優れた投資方法です。

iDeCoのメリットやデメリットについては別のページで解説するので、詳しくはそちらを参照。

iDeCoを含めた投資全体に通じる、銘柄などの投資先選択と同じかそれ以上に大事なポイントが「手数料」です。

投機(ギャンブル)じゃない正攻法・堅実な投資から得られるリターンは多くても10%前後、平均は3~6%程度。

手数料は一見すると取るに足らない小さな額に思えますが、リターンの大きさに比べるとバカになりません。

その影響の大きさを表すように、「手数料負け」なんて言葉があるくらいです。

運用益が手数料を下回って、資産総額が増えるどころか逆に減っちゃうこと

そのためこの手数料はiDeCo口座を開設する証券会社を選ぶ上で重要な2つの基準のうちの1つです。

iDeCo口座を開設する証券会社の選び方については別のページで。

iDeCoにかかる手数料は実は1つだけではありません。その手数料について詳しく解説します。

このページでわかること

・iDeCoにかかる手数料の種類と金額
・購入時手数料はかかる?
・手数料は証券会社選びの基準にはならない?

iDeCoには複数の手数料がかかる

一般的な株式投資の場合、個別の株を売り買いする際にかかる売買手数料のみで、これは証券会社によって異なります。

つまりどの証券会社を選ぶかは、各証券会社が提示する売買手数料と自分の投資スタイルや金額を比較すればOK。

コストの計算もそれだけで済むので、運用の利回り計算などもシンプルです。

しかし冒頭でも触れた通り、iDeCoにかかる手数料は1つではありません。

証券会社選びの1つの材料とするため、iDeCoにかかる手数料の全体像を押さえておきましょう。

iDeCoで運用するに当たってかかる手数料は5種類。以下の通りです。

①国民年金基金連合会納付金 ②口座管理料 ③給付手数料 ④移管時手数料 ⑤還付手数料

以下それぞれについて解説していきます。

①国民年金基金連合会納付金

国民年金基金連合会納付金はiDeCoを始めるタイミングで1回のみかかる手数料です。

これはiDeCo口座を開設する金融機関や運用する商品に関わらず一定で2,829円かかります。

口座開設する金融機関の選択には関係ありません。

ただし年当たりのコストを小さくするという視点で、iDeCoをできるだけ早く始めることが重要と言えるでしょう。

②口座管理料

口座管理料は毎月かかる手数料ですが、積立のスタイル・金融機関によって金額が変動します。

具体的には以下の2つのパターンです。

①毎月積立を行うパターン
②新たな積立はせず、これまで積み立てた金額を運用するのみのパターン

②ー1 積立を続けるパターン

iDeCoのメリットを最大化するなら積立を続け、毎年の所得控除を受けることはマストです。

そのため多くの人が積立を継続するこちらのパターンに該当するでしょう。

毎月積立を行う場合は、国民年金基金連合会に105円/月、信託銀行に65円/月、そして運営管理者(口座を開設した金融機関)に手数料を支払います。

運営管理者に支払う手数料は金融機関によって異なりますが、多くの金融機関ではここは0円です。

iDeCoの手数料無料の宣伝は口座開設費用と、この運営管理者に納める手数料の部分だけだよ

普通の投資信託や貯蓄性保険と違って投資額に関わらず定額なので、毎月の積み立て額を増やすほど手数料の占める比率は下がります

②-2 積立せずに運用だけするパターン

iDeCoのメリットを最大化するためには積立継続が必須ですが、家計の問題から一時的に積立の継続が難しくなる時期もあるでしょう。

そういう場合は積立を停止することも可能です。これを運用指図者と言います。

しかし運用指図者になったとしても口座管理料は完全には無料にはなりません。

国民年金基金連合会に支払う105円/月は免除されますが、信託銀行に支払う66円/月と運営管理者の設定する手数料は免除されません

運営管理者の手数料は0円のとこを選ぶのが当然だから実質66円/月ってこと

③給付手数料

積立金を受け取る際にも実はこの給付手数料というものがかかります。

こちらは信託銀行に対してのみで、その手数料の額は440円/回です。

ここで注意すべきなのが、給付1回当たり440円というところ。

iDeCoの積立金の受け取り方は①一時金で一括受け取りか、②年金での分割受け取りのいずれかです。

iDeCo受け取り時の税金の支払い方について解説したページで、ぼくは一時金での受け取りをオススメしましたが、その理由はこの給付手数料にもあります。

受け取り時の税金対策について詳しくはリンク先をご覧ください。

一時金での受け取りの場合、支払いは1回のみなので給付手数料も440円で完結します。

一方年金の場合、例えば隔月ごとの年6回給付を選択すると、1年間で440円×6=2,640円。60~70歳までの10年間でなんと26,400円も支払うことになります。

(※年金方式での給付方法の選択肢(受け取りのスパン)は運営管理者によって異なります)

毎月の年12回給付などを選択してしまった場合には、倍の52,800円も払うことになるのです。

せっかく節税して、運用してと努力してもくだらない手数料で5万も持っていかれるのでは話になりません。

この給付手数料の存在には要注意です。

④移管時手数料

移管時手数料は普通に積立を継続している内は特に気にする必要のない手数料です。

これは何かと言うと、積立をする運営管理者を乗り換える際に、転出元・転出先の金融機関に支払うもの。

多くの運営管理者では転入してくる場合の手数料は無料にしているところが多いです。

顧客が増えるんだからハードルを下げるのは当然だよね

一方で転出する方の金融機関にはこの移管時手数料を支払わなければならないことがほとんどで、その額なんと概ね4,400円

口座管理料が0円の金融機関でもここは有料にしているところがほとんどで、無料のところはごくごく小数です。

他の手数料に比べると1回キリとは言えなかなか大きな金額なので注意しておきましょう。

転出する時の移管時手数料が0円のとこを選べば良いってことじゃないの?

iDeCo口座を開設する金融機関選びの基準として手数料はもちろん大事な要素ですが、投資という視点では扱っている金融商品が大事なポイント。

むしろ運用スタイルを定め、それに合った商品を扱う金融機関を選びさえすれば、移管なんてものは心配する必要は本来ないはずです。

パッシブ(消極・安定)運用からアクティブ(積極・リスキー)運用へと急ハンドルを切る可能性があるというなら幅広い商品を扱うところを選べばいい。

最初の時点でしっかり自分のタイプに合わせて金融機関を選べば、移管時手数料など有料だろうが無料だろうが気にする必要はないのです。

⑤還付手数料

還付手数料も移管時手数料と同じく普通に積立を継続している分には特に気にする必要のない手数料です。

これは勤務体系(サラリーマンか自営業か)ごとに定められた年間の積立額以上の金額を積立てしまった際に、そのお金を還付してもらうために支払うもの。

基本的には給与天引きか口座振替での自動引き落としなので、払い込みすぎるということはまず起こり得ません。

ムダな手間もかかるし、払い込みのミスの可能性もあるしでメリット無いから手納付はやめようね

ただ積立額の上限が高い職種(自営業やサラリーマン)から低い職種(公務員)に転職した場合などは払い込み過ぎが発生する可能性はあります。

その場合、国民年金基金連合会に1048円、信託銀行に440円を支払わなければなりません。

就職などの一般的な切り替えは4月からなのに対し、税金計算は1月切り替えなので、その差3ヵ月は注意が必要です。

転職などのめどが立っているなら一度積立を停止して、転職してから新しい資格で再開すれば安全でしょう。

投資信託の購入手数料は?

iDeCoでは基本的に運用商品は全て投資信託です。

通常の投資信託を購入する際には信託報酬などとは別に売買に手数料が発生します。

しかしiDeCoで販売される投資信託には販売手数料が発生しません。これはどの金融機関で購入しても同じです。

様々な手数料が発生する代わりに、購入手数料はかからないということで、一般の投資とトントンとまではいかないまでも、やや巻き返しています。

手数料や取扱い商品など最初の仕組み作りさえしてしまえば、後は放っておくだけでOK。まさにマネーマシンです。

ただし保有期間中の信託報酬は当然発生するので、運用する金融商品選びも非常に重要。

その点については投資信託選びのポイントとも重なるので、リンク先をご覧ください。

まとめ

iDeCo(個人型確定拠出年金)にかかる各種手数料について解説しました。

ネット広告などを見るとあたかも全て手数料がかからない金融機関があるかのように見えますが、コストゼロでiDeCoを始められるところはありません。

色んな機関に対して様々な手数料が発生する。その中でオマケ的に金融機関に納める一部の手数料が要らないに過ぎません

とは言え節税効果や非課税の効果に比べれば手数料は微々たるものです。

あくまで愚かな行動によってかける必要のないコストを負うことが無いように注意すればそれでOK。

気にするのはほどほどに、なるべく早く始めることが重要です。

てなとこで。