自律神経のバランスと良質な眠りの関係|リラックスと活動のメリハリで睡眠の質を高める
睡眠の質を高める要素は様々なモノがあります。
そもそも睡眠の質とは何なのか?またそれを左右する要素についてはこちらのページでまとめて解説しました。
このページでは、自律神経のバランスと睡眠の関係、そしてそのバランスを整える方法について解説します。
1 自律神経と睡眠の関係
自律神経とは大きく交感神経と副交感神経の2つのバランスで成り立っています。
交感神経は主に日中の覚醒(一種の興奮)状態の維持に作用し、一方の副交感神経は夜間のリラックス状態に作用するものです。
「日中は交感神経が働き、夜間は副交感神経が働く」という風に明確なスイッチがあると勘違いしてる人も多くいます。
実際は双方が常に働いていて、どちらか一方の働きが強く優位になってるというのが正しい認識です。
この優位性の切替がスムーズに進むことで夜間の眠りの質が向上します。
そして同時に睡眠の質を確保することで、この自律神経のバランスが整うため、これらは相互に補完し合う関係にあります。
自律神経のバランスを整えるとは、それぞれが優位になるべきタイミングで作用を強め、そうでない時は鎮めることです。
ここからはそのための具体的な方法や注意点について解説していきます。
2 副交感神経を優位にするために
まずは夜間に副交感神経を優位にするために出来る対策を3つ紹介していきます。
・カモミールティー
・クラシック・ジャズ
・ベネクスリカバリーウェア
2-1 カモミールティー
カモミールティーには神経の鎮静化作用と筋肉の弛緩作用があるので、副交感神経を優位にするリラックスにはピッタリです。
この他にも抗炎症作用や鎮痛作用といった、日中ハードに運動したりする人には嬉しい効果もあります。
カモミールティーは天然成分でかつ安価なので、安心して日常の習慣に取り入れられるでしょう。
リラックス効果で言うとカヴァカヴァやヴァレリアンといったサプリメントもありますが、まずはマイルドなカモミールティーがオススメです。
飲む時は是非、ティーパックをホットで煮だして飲むようにしてください。
就寝前に重要な体温コントロールを兼ねることも出来て一石二鳥です。
2-2 クラシック・ジャズ
クラシックやジャズの落ち着いた音楽も神経を鎮める効果が分かっています。
中にはアップテンポの曲や重低音が効いている曲もあるので、選曲は重要です。
最近ではYouTubeに睡眠用のクラシック・ジャズ動画、音源がアップされてるので、そういうのを活用するのも良いでしょう。
ホント便利な時代になったよね
またリラックスやストレス軽減効果においては風や波、川のせせらぎといった自然音も効果的なのでオススメです。
先述のYouTubeには波の音をバックにクラシックという最強コンボ動画もあるのでぜひ試してみてください。
入浴中や風呂上りのストレッチ中、日記をつけてる間なんかでも歌詞が無いので良いBGMになります。
2-3 ベネクスリカバリーウェア
ベネクスというメーカーが展開するリカバリーウェアもオススメで、ぼくも使っています。
登山家やアスリート等に愛用されていて、イッテQの登山企画でイモトさんが着てたのに気付いた人もいるかもしれません。
仕組みとしては生地に配合されたプラチナ繊維の遠赤外線効果によって、リラックスし、自律神経のバランスが整うというものです。
これまで紹介した方法に比べるとややコストはかかりますが、個人的にそれなりの体感はあるので試してみることをオススメします。
トップス、パンツ、タイツ、ゲイターなど大小様々なアイテムが展開されてるので手軽なモノから試すと良いでしょう。
因みに着圧タイプのアイテムではないので、リラックスを重視してゆとりのあるサイズ感でOKです。
グレードも様々ですが、個人的にはやや高めのリチャージ+あたりをオススメします。
イモトさんもこれだったね
2-4 マインドフルネスはやらないの?
寝る前にマインドフルネスやるとリラックスできるって聞いたけど?
睡眠法を解説した書籍の中で、睡眠の質を高める方法として瞑想などのマインドフルネスをオススメするものを見たことがある人もいるかもしれません。
確かにマインドフルネスにはストレスの軽減効果などがあるので、睡眠前に適しているようにも思えます。
しかしマインドフルネスの幅広い効果をよく見てみると、どちらかと言うと脳の活性化に傾いたものが多いのです。
特に思考や理性を掌る前頭前野の働きを活性化する効果があるので、リラックスよりも覚醒に働いてしまいます。
深呼吸で気持ちを落ち着けるだけならリラックス効果が得られますが、呼吸に集中するとなると入眠には逆行することになりそうです。
瞑想などのマインドフルネスをするなら夜よりも、朝起きた時など覚醒を維持したい日中に実践する方が良いでしょう。
3 交感神経を鎮める
副交感神経を優位にするリラックス習慣も重要ですが、交感神経を優位にしないようにすることも重要です。
交感神経を鎮めておくために重要なことは以下の4点あります。
・情報を入れない
・汗をかかない
・ストレスを解消する
・日中にしっかり活動する
3-1 読書も実はNG
強力なブルーライトが睡眠を阻害するので、スマホやテレビなどのスクリーンがNGということはよく知られています。
そして自律神経のバランスという観点でもこれらのスクリーンはやはりNGです。
その問題点は情報の新しさで、新鮮な情報というのは交感神経を高ぶらせてしまいます。
スマホやテレビは非常に膨大な量の新しい情報が入ってきてしまうので、なかなかリラックスすることが出来ません。
またブルーライトの観点では特に問題にされない読書も、この観点では避けるべきでしょう。
どうしても何か読まないと落ち着かないという人は、せめてこれまでに一度読んだことのある本にすることをオススメします。
3-2 汗はNG
就寝時間に近いタイミングに運動をすることは体温コントロールの観点からもNGと解説しました。
そして交感神経の活動という点でも、軽いストレッチくらいならOKですが、それ以上はNGです。
これは汗をかいてしまうからで、このコントロールは主に交感神経が担っています。
つまり「汗をかく=交感神経の活動」ということです。
このことを押さえて寝床の気温は常に低めに保っておくようにしましょう。
運動による発汗と同様に、寝床が暑くて寝汗をかいてしまうと、交感神経が優位になり睡眠の質が低下してしまうからです。
入眠時にだけエアコンをかけ、タイマーで切る人が多いようですが、正解はかけっぱなしです。
ドアをうっすら開けて冷気を少し逃がす揺らぎを作りつつ、夜通し涼しい状態にしてきましょう。
3-3 ストレスはやっぱりNG
ストレスが入眠を阻害するメカニズムについては睡眠とホルモンの関係についてのページでも解説しました。
ストレスを抱えていると交感神経が優位になってしまい、睡眠の質に影響します。
ストレスとは外敵からの脅威を感じてる状態なので、そんな状態でリラックス出来ないのは当然のことです。
自然界で捕食者に囲まれてる状態で寝たら、そのまま永遠に起きられないからね
ストレスを完全に無くすことは難しいですが、なるべく他のことに意識を向けるなど、寝る前は気持ちの切り替えが重要です。
ストレスに対処するためのテクニックについても詳しく紹介してるので、こちらもチェックして自分に合った方法を試してみてください。
3-4 日中にダラダラしない
ホルモンの分泌や体温のコントロールなど睡眠の質に関することに共通ですが、日中のパフォーマンスも非常に重要です。
日中にしっかり覚醒状態を維持し活動的に過ごしていれば、自然と交感神経は疲労していきます。
夜になれば特に意識することもなくリラックスモードに入れるはずです。
逆に大してエネルギーを使っていないと、なかなか交感神経が鎮まらず、副交感神経を優位に出来ません。
これは交感神経を優位にする様々な刺激に反応する余力ができてしまうからです。
精力的に活動するためには質の高い睡眠でしっかり回復してる必要があるので、ニワトリ卵ですが、なるべくダラダラしないようにしましょう。
優雅なティータイムが無理なら…
寝る前に交感神経を鎮め、副交感神経を優位にするためには、あまり能動的な行動を起こさないことが重要ということです。
寝る直前までやることあるから優雅なティータイムなんてムリ!
忙しい現代にあっては、何かしてないと気が済まないという人も多いかもしれません。
寝る直前までやることでいっぱいの人にオススメのタスクが、翌日の予定を書き出すことです。
これには3つの理由があります。
まず第1に頭が冴えてる朝にスケジューリングをするのは認知リソースのムダ遣いだからです。
前日のうちにやること、順番を明確にしておけば翌日は朝からトップスピードで作業に入れます。
また新しい情報のインプットに比べると、アウトプットはそこまで交感神経を優位にしません。
リラックスとまではいかなくとも、せめて神経を高ぶらせることはしないようにすべきでしょう。
最後にやるべきことや気掛かりなことを書き出すと、それだけで気持ちが軽くなり、安心して眠れます。
これはブレインダンプというれっきとした休息テクニックで、非常に有効です。
スケジューリングやTo DoをGoogleカレンダーやEvernoteでつけてる人もいるでしょうが、夜はスクリーンを遠ざけ、紙に書いておくようにしましょう。
まとめ
睡眠の質を高めるための自律神経のバランスコントロールについて解説しました。
交感神経と副交感神経のバランスと睡眠の質は相互に関係しており、切っても切れない関係にあります。
自律神経のバランスを整えるとは、具体的にはリラックスして副交感神経を優位にし、交感神経を鎮めた状態にすることです。
そのために気持ちと身体を落ち着ける工夫をしつつ、刺激を入れないようにするようにしましょう。
忙しくなかなかリラックスする時間を持てないという人も多いと思いますが、しっかり寝て翌朝万全のコンディションで熟す方が圧倒的に効率的です。
ぜひ考え方を見直してみて、睡眠の優先順位を上げるようにしてみてください。
てなとこで。
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