【嫌儲思想とは?】金持ち嫌いが貧乏になる理由|その問題点と3つの対策

金持ちを嫌う貧乏人

突然ですが皆さんは金持ちでしょうか?また金持ちは好きでしょうか?
逆にお金稼ぐ方法を考えること、守銭奴の如き節約家は浅ましく、あまり良いマインドではないと思ったりはしていないでしょうか?
お金については他人はもちろんのこと、夫婦間や自分の子どもにすら明け透けには話すべきじゃないって考えの人も多いと思います。
しかし、もしこうした考え方をしてるなら皆さんがお金持ちになるのはかなり難しいです。
そんなとこで今回はお金を稼ぎににくくなるマインドセット・嫌儲思想についてのお話です。

1 お金が遠退く嫌儲思想とは?

嫌儲思想(またはバイアス)とはお金のにおいを嫌う、お金儲けは汚いことっていう思想を言います。
思想と言うとやや強烈な印象ですが、認識レベルでも十分この範疇です。

これは最近とくにネットビジネス界隈でよく耳にします。
アフィリエイトブログをやる時はモノを売りたい欲が前面に出ないようにするよう注意されますが、これは嫌儲思想を抱いてる人が多いからです。
芸能人が副業ブログで稼いだり、プロデュース業なんか始めたときにも「金の亡者だな」なんて揶揄されたりすることもあります。
最近だとビジネス系のYouTuberが書籍を出版したり、オンラインサロンに集客しているのを見て「結局金を稼ぐのが目的かよ」なんてコメントも見かけますね。
これは「重要な情報でもタダで教えろよ」と言ってるに等しく、もはや嫌儲思想とか以前にモラルの問題ですが…。

君の何が偉くてそんなことを堂々と言えるんだってね

優良な情報は有料であって然るべきって思うんですけど、どうですかね?

本業以外のビジネスを叩くに飽き足らず、本業でバリバリ稼いでるだけでも「そんな稼いでどうすんの?」と言われることもあります。
これら全て嫌儲思想(バイアス)が働いている状態です。
もしあなたがこんなことを日常的に思うクセがついてるとしたら注意しないといけません。

2 嫌儲思想=貧乏人の思想

この思想を持っている人は思想自体に人生の脚を引っ張られている可能性が高いです。
お金との向き合い方と稼ぎの関係を追跡調査した研究によれば、嫌儲思想を持ってる人が一番お金を稼ぎにくいという結果になっています。
お金やビジネスで稼ぐということにネガティブな反応を示す人ほど稼げず、お金に苦労していることが研究で分かっているのです。

お金は汚いなんて誰でも思ってることじゃないの?

そう思うかもしれませんが、意外とそうでもないんです。
起業家や大企業に勤める、実際にお金を稼ぐポストにつく人は以下のような思想を持っていました。

・お金は万能
・お金があれば何でも叶えられる
・お金で手に入らないモノはない
・お金を稼ぐことは生きていく上で必要なこと

普段の会話でここまでハッキリ言う人は少ないと思いますが、稼ぐ人はお金の絶対的な力を信じている傾向があるようです。

お金で何でも解決できるだなんて何か嫌味で心が荒んでるなー

こういったお金持ちたちのマインドを見て、こんな風に考えてしまうそこのあなた。
繰り返しになりますが、そのままだとお金持ちになる才能はないと肝に銘じておきましょう。
次の項目で嫌儲思想で貧乏になる理由について解説します。

3 嫌儲思想でなぜお金が遠のく?

でも何で嫌儲思想を持ってるとお金が稼ぎにくいの?そもそも関係が逆って可能性もあるよね?

この研究結果を見て気付いた人も中にはいるかもしれませんが、実は因果関係はハッキリしていません。
「自分はお金を稼げない」と思っている人が、嫌儲バイアスを持ちやすいとも考えられるからです。

人間の心理には合理化というバリア機能が備わっています。
これは叶わない理想、手に入らないものに対してそうしなくていい最もらしい理由をでっち上げるシステムです。
こうやって言い訳で自分を慰めることでストレスから精神を守ります。

同じようにお金持ちは自分の得意なお金で何でも解決できると信じたいからこそ、そう思ってるとも考えられます。
誰しも自分の得意な分野は重要であり、苦手な分野は軽視したいものだからです。
そして人間は信じられるものより、自分の信じたいものを信じる傾向があります。
前述した合理化も併せて全て確証バイアスと言われる自分に都合のいい情報に目が向きやすい心理的なクセの影響です。

どんなものにも表裏があるけど、お金持ちはお金の表、貧乏人はお金の裏ばかり見やすいってこと

しかし嫌儲思想が先で、貧乏が後に来ると考えられる根拠もあります。
それが認知不協和や一貫性の原理という心理的な特性の存在です。
自分の意識と行動を一致させようとする働きのことで、意識に反する行動を取りにくくなるというもの。
嫌儲思想でお金嫌いを表明した以上、宣言や認識に逆らって積極的にお金を稼ごうと行動することは困難になります。

先進国では大した努力をしなくてもそれなりの収入は得られるので、稼ぐこと自体はそこまで難しくないと勘違いしがちです。
しかし大きなお金を稼ぐとなると尋常ではない努力が必要なので、意識に引っ張られながら生半可な努力をしたくらいでは確実にお金持ちにはなりません。

4 日本人は嫌儲思想が多い

この思想が顕著に現れるのが有名人の不祥事の時です。

・芸能人の不倫
・大企業の脱税や偽装
・政治家の失言

こんなお金持ちのウィークポイントが表に出ようものなら、再起不可能になるほど徹底的に攻める輩がかなりの数(主にネット上に)出現します。

個人的な恨みでもあるのかな?とか思うレベル

本人たちがしたことはもちろん配慮すべきことだろうけど、そこまで完膚なきまでに叩き潰すほどの問題ではありません。

そもそも叩いてる人たちは1ミリも被害を受けてないしね

なぜこんなに過剰になるかと言えば、理由はシンプルです。
儲けてる奴を引きずり下ろすチャンスだってやっかみ根性があるからに過ぎません。
嫉妬には良性と悪性の2種類がありますが、この場合の嫉妬は悪性です。
悔しさをバネに自分が高みに登るのではなく、上にいる人間を自分と同じレベルに引きずり下ろそうという何とも浅ましい魂胆。
シャーデンフロイデ(=他人の不幸は蜜の味)と言った方が分かりやすいかもしれません。

とは言え日本人の多くがお金を汚いと思ってしまうのは、個人のせいとも言い切れない所があります。
それは社会的にそう思わせる風潮があるからです。
何となくお金の話はプライベートなことで人前で話すべきじゃないと忌避される傾向があります。

ドラマの悪役はだいたいお金持ちだしね

実際に環境や教育による刷り込みの影響は大きく、幼い頃からお金に関する教育を受け、起業家などを称賛する風潮のあるインドなどでは嫌儲思想はほとんどありません。
そして実際に世界中で活躍する起業家やビジネスマンを多く排出しています。

5 嫌儲思想が蔓延する日本の未来は暗い

嫌儲思想を持ってる人が貧乏になるだけならただの自滅なので何も問題はありません。
しかしこれを放っておくことは害悪が非常に大きいと言えます。
というのも自分の人生だけじゃなくて成功者の脚も引っ張るという大問題があるからです。

この思想を持つ人はお金を稼いでる富裕層が自分たちのレベルまで落ちてくることで相対的な満足を作り出そうとします。
そこに追いついて絶対的な満足を得るための原動力にするならポジティブで健全ですが、これではみんな貧乏で横一線になってしまいます。

そんな国に国際社会でプレゼンスを維持するような明るい未来が待ってるでしょうか?
稼いでもやっかみで粗捜しをされて引きずり降ろされるって思ったら有能な人は日本に来ないし出ていくはずです。
そのせいで経済が悪くなったとしても、本人たちは嫌儲思想を自省することなく今度は政治家を責めるんだと思います。

ちなみにこのように自分以外に原因を探す他責の癖もまた貧乏になるための立派な素養です。
そのことについては別のページで解説してるので、興味のある人は参考にしてください。

もちろん嫌儲思想を作り出す一部の要因として社会的な教育があるのも確かなので、「正しい」金融教育は必要だと思います。

6 嫌儲思想を打破するには

嫌儲思想が自分にも他人にもためにならないと分かったところで、こういう性質なんだからしょうがないと思ってしまう人も多いでしょう。
しかし他人を変えることは出来なくても、自分の考え方なら本人の意志と正しい対策によって変えることが出来ます。

6-1 触れないのが基本

先の不祥事などの報道の例ではメディアにも罪があります。
炎上してくれるほど週刊誌が売れて儲かるから、叩ける部分を盛大にクローズアップして怒りを煽っているからです。

しかしメディアが蒔いた種火でも全焼レベルまで燃え上がらせるのは、やっぱり嫌儲思想というぼくたちが心に持つ油があるからでしょう。
メディアの戦略は分かっていても向こうもプロ、巧みに感情を扇動してくるから抑えるのは簡単じゃありません。

ダイエットや禁煙等を自制心や意志力でどうにかしようとしがちですが、最も確実な方法はそもそも対象に触れないことです。
これは嫌儲思想や成功者に対する怒りや妬みといった感情のマネジメントにおいても同じこと。
つまり嫌儲思想を抱えてる自覚がある人は、最初からニュースは観ないに越したことはないということです。
このニュース・新聞不要論の考えについて詳しくは別のページで解説しています。

6-2 環境を変えると意識も変わる

意識や考え方を変える上で非常に影響が大きいのが環境の変化です。
いくら考え方を変えようと思っていても、成功者を妬み叩く人に囲まれていてはその考えから抜け出すことは出来ません。
逆に成功者やお金持ちに近付くことで、彼らの持つマインドを自分の中に落とし込むことが出来ます。
ただデメリットもあるので、価値観の軸をブラさないようにする意識は必要です。

成功者を敵だと思ってるうちは絶対に成功できません。
散々こき下ろした相手と同じことを平気で出来るほどプライドの欠片もない人は流石にいないはずです。
内心では「絶対に越えてやる」でも「見返してやる」でもいいので、その懐に入ることをオススメします。

「運が良かっただけだ!」って結論は思考の放棄で最悪のゴールだからね

因みに環境を変えても、そこですることが単に「意識する」「認識を変える」では何も変わらないので注意してください。
目標を達成するためにやるべき本当の対策についてはこちらのページで解説しています。

ダイエットなどを中心に記載してますが、嫌儲思想を変えることにも役立つはずです。

6-3 アンガーマネジメントも重要

感情のコントロールが難しいからと言ってそれを実践する必要がないというわけじゃありません。
成功者やその不祥事を攻撃する心理には様々なバックグラウンドがあることでしょう。

日頃のストレス発散とか、歪んだ正義感とか、公正性への過度な期待、想像力の欠如とかね

しかしそれを叩いても何も変わらないこと、生産性が無いどころか犯罪になるリスクがあることは冷静に判断できれば簡単に気付きます。
いわゆる他者の課題であり、影響の輪の範囲外というやつです。
つまりこうしたことに考えが至らずに怒り叩くのは、そもそも感情のコントロールが出来ていないからと言えます。
対象に触れないことも大事ですが、同時に自身のコントロール力も鍛えていくようにしましょう。

まとめ

貧乏を招く嫌儲思想(バイアス)について解説しました。
お金やビジネスに関する認識は「周りも同じだろう」と思いがちですが、お金持ちとそうでない人とでは全く異なります。
このバイアスによって自分が貧乏になるだけでなく、マクロで見て国全体としても良くない結果を招いてしまいかねません。
非常に罪深く、かつ全く生産性のない思考です。

教育による影響という側面もありますが、だからといって「国が悪い!」と喚いていても何も変わりません。
むしろさらにお金持ちから遠ざかってしまうだけです。

ついでに「お金を儲けてる奴は何か悪いことをしてるに違いない」って思ってる人は詐欺にも引っかかりやすくなります
どう見ても怪しい投資詐欺に引っかかるのは「投資は怪しいもの」と誤解してるからというわけです。

今の生活からは抜け出せないって閉塞感を抱えてる人ほど、嫌儲バイアスに陥る可能性が高くなります。
「これ以上自分は上がれないから周りを下げてやる」といった思考回路になりやすいからです。
今やスマホ1台あればいくらでもビジネスができる時代。
成功者のスキームを分析したらすぐに具体的な行動に移せばいい。行動すれば好循環が回り出すでしょう。
なかなか行動に移せないという人はそういう心理の原因と対策についても解説してるので参考にしてください。

てなとこで。