【最強の脳トレ】マインドフルネスは万能薬|瞑想の効果と簡単なやり方

瞑想・マインドフルネスと聞くと何ともスピリチュアルな感じがしますが、欧米のビジネスエリートが採用するれっきとしたトレーニングです。

あのGoogleでも社内研修としてマインドフルネスを取り入れたことは今では割と有名ですよね。

時間を有効活用する方法をこれまでも紹介してきましたが、その中でもマインドフルネスは特に効果が高い強力なメソッドだと思っています。

「マインドフルネス=瞑想」と混同されがちですが、厳密にはちょっと違って、瞑想はマインドフルネス法の1つという関係です。

マインドフルネスとは日本語に直訳すると「気付き」といった意味になります。

メリット・効果だけでなく具体的な実践方法も本文で解説していくので、ぜひ最後までご覧ください。。

1 マインドフルネスの効果

マインドフルネスが単なるスピリチュアルでない証拠として、脳の構造変化が起きることが挙げられます。

MRI画像診断などで特に変化が顕著に観察されているのが、海馬と側頭頭頂接合部の灰白質の密度です。

(左)海馬は特に長期記憶に関係する部位なので、物事を記憶する能力がアップすると考えられています。

長期記憶は様々な他の記憶と物事を関連付ける働きを(無意識下で)するので、発想力の向上にも資するはずです。

そして側頭頭頂接合部は共感などを担う部分なので、共感能力が高まりビジネスやコミュニケーションにプラスに働く効果が期待できます。

因みに灰白質ってのはMRI画像でグレーっぽく映るとこね

またマインドフルネスによって前頭前野の働きが活性化することも確認されています。

前頭前野は集中力や注意力、自制心を制御していて、認知リソースの総量にも関係する部位です。

なお認知リソースについて詳しくはこちらのページをご覧ください。

特に自制心や集中力はダイエットや筋トレ、勉強、早起き、禁煙などやり遂げるために必須なので、多くの人にとって嬉しい効果なんじゃないでしょうか?

また集中力や注意力は勉強など目の前のタスクに意識を繋ぎとめておくだけではありません。

不安や心配などは今現在に意識をとどめておけず、フラフラと未来に意識が泳いで行ってしまうことが1つの原因です。

そうした意識の浮遊を止め、「今ここ」に意識を集中させるという働きもします。

そのためマインドフルネスの実践によって不安や心配が薄れ、ストレスレベルが下がるというのも大きなメリットです。

不安の対処法についてはこちらのページで詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

またストレスが軽減されることで自律神経のアンバランスが修正され、睡眠の質の向上にも繋がるとされています。

リラックス効果があるとされていますが、一方でマインドフルネスによって思考が活性化してしまうため、入眠前は避けた方が良いという意見もあることには要注意です。

またぼくも含めた多くの人が特に効果を実感しやすいポイントが感情のコントロール力の向上です。

これはマインドフルネスによって自分の感情や気分の変化・状態に自覚的になれるからで、この能力をメタ認知と言います。

自分を客観的に俯瞰して見る能力みたいな感じ

こうした自制心、ストレスの低下、睡眠の質の向上、そしてメタ認知はダイエットの強い味方なので、「マインドフルネスは痩せる」とも言われます。

このように思考や精神面の改善効果が大きいことから、マインドフルネスのことを心の筋トレと評する人がいるほどです。

メリットがあり過ぎるので余計に怪しく感じてしまったかもしれません。

しかし身体は1つで全てが繋がっているので、このように悪循環の中の1つの問題を解決して輪を断ち切ることで、良い効果が回り出すのはある意味当然のことです。

2 それなりの期間は必要

マインドフルネスには現代人が必要とする様々な効果がありますが、それらを得るまで相当な期間が必要であることを先に断っておきます。

むしろ数回瞑想しただけで脳の構造がガラッと変わるほうが怖いよね

ぼくが読んだ書籍ではどれも概ね3ヵ月程度で効果を実感し始めるって紹介してありましたが、ここは個人差があるでしょう。

現に変化し始めたのを感じるのにぼく自身は4か月くらいかかりました。

しかもここで挙げた効果が一気に全て表面化してきたわけじゃありません。

恐らく元からそれなりに得意としてたものは実感するレベルに達するには時間がかかるってことでしょう。

0から1なら認識しやすいけど、同じ1の変化でも100が101になった場合は気付きにくいってこと

忙しい日常で瞑想の時間をとるのは大変で、早く効果が出ないともどかしいと感じるかもしれません。

けど時間がない時は数分でもOKです。個人的な感覚としては時間よりも回数の方が重要だと思います。

最終的に集中力が高くなればその先のタスクが全て効率化されるので、時間の投資と考えて少しずつでも期間を積み重ねていきましょう。

慣れてくると遮音性のイヤフォンとかつけて通勤の電車のような隙間時間でも瞑想できるようになります。

最近ぼくはやや多忙なので朝の通勤で実践するようにしてます。

ここで気付いたことは無音の自室の方が落ち着かず、思考が浮遊しやすいということです。

軽い雑音のある電車など屋外で実践する方が集中しやすいので、時間の有効活用という点と併せてオススメかもしれません。

3 マインドフルネスの実践

冒頭でも触れた通り、厳密にはマインドフルネス=瞑想ではありません。

マインドフルネスとは注意深く、観察しながら何か1つのことに取り組む手法のことです。

なので食事や家事などでもマインドフルネスは実践できます。

ここでは多くの人が想像するマインドフルネス、すなわち瞑想の実践法について紹介します。

マインドフルネスをやるとなるとお寺で座禅を組んで行う敷居の高いイメージですが、場所はどこでもOKで、座禅を組む必要もありません。

リラックスできる環境、服装、体勢で行いましょう。

途中で寝落ちする心配がなければ横になった姿勢でもOKです。

3-1 2つの主要な瞑想メソッド

瞑想には大きく分けると2つのやり方があります。

1つがフォーカスアテンション瞑想で、もう1つがオープンモニタリング瞑想です。

フォーカスアテンション瞑想:目を閉じて、ひたすら自分の呼吸へ注目し続ける方法
オープンモニタリング瞑想:目を閉じて、周囲の環境音に耳を澄ませて捉える方法

恐らく多くの人がイメージしてるのは1つ目のフォーカスアテンション瞑想でしょうが、どちらでも効果は同じです。

オープンモニタリング瞑想では風の音や雨音、時計の秒針の音などといった普段は意識しない音に気付くことが出来ます。

3-2 思考について評価しない

瞑想のさなか、集中が途切れて無関係なことを考えるのは脳の習性だから自己嫌悪に陥る必要はありません

野生の世界では何かに夢中になって周囲に意識が向かなくなるのはリスクでしかなかったからです。

個人差があるけど15~30秒に1回くらいの頻度で出てくるよ

その事実を認識した時点で、何を考えていたかを自覚してからまた呼吸に注目し直せば大丈夫です。

決してその考えていた事実に対して「集中力がなくてダメだ」などと評価してはいけません。自責に陥るとより意識が対象に戻れなくなってしまいます。

呼吸は普段無意識にできることだからこそうっかり意識が離れやすいですが、徐々に慣れていきましょう。

3-3 アプリを使ってもOK

やり方を考えながら呼吸に注目するのは難しいので、最初はスマホアプリのガイドに従って瞑想するのもオススメです。

リラクゼーション音がついたもの、チュートリアルから瞑想を徐々に身に着けていくものなど様々なものがあります。

いろいろ試してみて自分が比較的集中しやすいものを探っていきましょう。

自然音はストレス解消やリラックス効果があるので、瞑想タイムなどにはもってこいです。

ストレス解消効果やリラックス効果について言うならば変則的ですが、クラシック音楽なんかも良いかもしれません。

4 効果の実感

体脂肪率みたいなものなら数値で変化を実感できますが、自制心や集中力って客観的な指標がないのでなかなか効果を実感しにくいかもしれません。

既に触れたとおり一般的に効果を実感するまでには3ヵ月ほどかかると言われています。

ここからはあくまでも個人的な実感ですが、参考になればと一応紹介しときます。

始めて1ヵ月くらいでまず最初に実感したのはメタ認知が上手くなったってこと。

特にしようと意識してなくても、イラっとしたり、テンション上がったりした時にその感情に自覚的になる癖がついてきました。

そういうときに離れた所からもう1人の自分が「今イラっとした感じが出てるぞ」って言ってくれてる感じです。

気付いた瞬間から抑えれば、怒りの火も小さいので大家事にならなくて済みます。

端から見れば自制心がついたってことになりそうです。

またその日の自分の気分に気付きやすくもなりました

朝の散歩中などにふと「今日は何となくピリピリして気が立ってる気がする」などと思うようになります。

そうなるとその日1日気を付けようと思えるし、前日の過ごし方や睡眠時間などの影響を考える余地も生まれます。

5 思わぬ効果

瞑想の効果とは別に、思わぬ恩恵を感じたポイントが2つあったので以下に紹介します。

さらに「個人の感想です」の領域に入ってしまいますが、指標になる効果は多い方が実感に繋げやすいはずです。

5-1 「ながら」の害を実感

「ながら」すなわち「同時に複数のことに意識を向けることは出来ない」ってことを改めて強く実感することが出来ました。

当たり前のようなことだけど、それを普段から意識できてる人は少ないと思います。

スマホ見ながらテレビ見たり、音楽聴きながら勉強したりと「ながら」作業が習慣化してしまってる人は多いはず。

大抵は並行して出来るくらい集中力が必要ないことですが、それなりの集中を要するものだとそうはいきません。

普段は無意識にしてる呼吸に最大限集中してみると、他に何も考えられなくなります。

逆に何か関係ないことを考えている間は呼吸から意識が離れてます。

つまりどんな簡単なタスクでも全く同時に意識することは出来ないこと、認知リソースの出どころは1つだということを実感しました。

タスクの並行は頻繁な切り替えを起こして認知リソースの減少=集中力の低下に繋がるってことです。

やっぱりマルチタスクは良くないってことですね。

5-2 アイデアが生まれる

何かに集中すると他の関係ないことのアイデアが浮かびやすいことにも気が付きました。

アイデアと言ってもそんな大層なものじゃなく、ブログの文章構成とか上手い言い回しとかの些末なことですが…。

タスクAに集中してる時にタスクBに関するアイデアが浮かんで来るような経験をしたことがある人は多いでしょう。

これは無意識化でタスクBに関する記憶やアイデアの整理が行われているからです。

これと同じように瞑想で呼吸や周囲の環境音に強く集中している間、無意識の方が他のタスクを整理してくれます。

つまり瞑想に期待できるのは主要な効果だけじゃなく、他のタスク・アイデアにも大きなメリットがあるということです。

とは言え思いついた時点で瞑想を中断するのも何だし、かといってそのアイデアを覚えておこうとすると呼吸に集中できなくなります。

だから瞑想とは別に、たまに無心になって目を閉じてアイデア出しをする習慣が生まれました。

意識的に無心になる時間を作るメリットを知れたことも瞑想の効果の1つと言えます。

能動的にボーっとする時間も実は大事!

まとめ

瞑想の効果とやり方、個人的な効果の実感について解説しました。

瞑想の効果と言われてるものは多岐に亘ります。多過ぎたのでまとめます。

・記憶力の向上
・共感・コミュニケーション能力のアップ
・注意力、集中力、自制心がつく
・ストレスの軽減
・睡眠の質の向上
・感情のコントロールが上手くなる(メタ認知)
・痩せる などなど

そしてこのほとんどが客観的な数値で観測出来ないものばかりです。

効果を実感できないと、忙しい日常の時間を割いて続けるのはなかなか難しいでしょう。

些細な変化でも見落とさなければ続けるモチベーションになります。

ぼくの経験が変化に気付く参考になれば幸いです。最後に瞑想の仕方をおさらいしておきます。

・目を閉じて呼吸に注目する(わかりにくければ呼吸の質を高めようと集中する)
・他のことを考えたら何を考えていたかを自覚する
・呼吸に注目を戻す
ただこれを繰り返すだけ。

呼吸に注目すると言っても、深呼吸のように不自然に呼吸を強くしたりするのとは違う点には注意しましょう。

本文中で何度も触れたとおり、マインドフルネス=瞑想ではありません。

瞑想という1つの手段より、マインドフルネス(目の前のことに意識を集中すること)の方が重要です。

皿洗いでも掃除でも「ながら」を止めて1つの行動に集中すれば同じような効果が得られるので個別に瞑想の時間を取れない人は実践してみましょう。

てなとこで。