お金は貯めるべき?好きに散財すべき?|どちらも正解な理由と注意点

2020年前後のコロナ不況やFIREブームなどをきっかけに、資産形成への関心が高まってきました。

若いうちから家計を管理して貯蓄することを奨励する傾向は、今に始まったことじゃなく昔から変わってません。

しかし望ましいと思いつつもそれが出来ない人も多く、だからこそ「好ましいもの」として褒めそやされるんでしょう。

人間の根幹を支配する本能的な部分は未来思考が出来ないので、貯金は本能に反するもので難しいのも当然です。

それだけ労力を要する貯金ですが、果たして苦労するほどの価値があるのかというと怪しいんじゃないかと考えています。

そんなとこで今回は、貯金はすべきなのかしなくて良いのか、ライフプランとお金の使い方についてのお話です。

お金を使うか貯めるか

まず話をシンプルにするために「貯金が趣味」という人は議論には含めないこととします。

それが楽しくて仕方ないという、やや奇特な人種は思う存分貯めればOKです。

ここでは趣味や欲しいものが沢山あって、貯金をするためには一部ガマンをしなければいけない人にとってのベストを考察します。

特に主眼にするのは若年層です。

では早速本題に入りますが、お金を使うべきか貯めるべきかは人によって変わります。

「貯金は誰にも共通するもの」と思ってる人も多いはずなので、ちょっと意外かもしれません。

それを判断する基準は自身のライフプランにあります。

大まかに2つのパターンに分けて紹介していくので、自分の展望に合った方を見てみてください。

もしかすると自分のイメージとギャップが大きく、方針を見直すきっかけになるかもしれません。

① 定年まで働き続けるパターン

これが最も一般的なパターンで多くの人が漠然と描いている人生設計の形だと思います。

これを前提に考えている人ならば、貯金に必死になる必要はありません

若い時は好きなことにお金を存分に使っていきましょう。

お金を使う喜びの大きさ

何故ならお金を使うことにより得られる喜びは若いうちほど高いと考えられるからです。

若いうちはやりたいことも沢山あるし、どこに行っても何を食べても新鮮な経験で幸福度も高くなります。

年を取っても好奇心や興味が旺盛で様々なことを楽しめる人もいますが、一般的には若いうちほどではありません。

旅行に行っても楽しみより関節痛や疲れが大きくなり、高級な霜降り肉を食べても美味しさより胃もたれが勝ります。

見聞きすることで経験した気にもなりやすいので、生きた時間が長いほど新しい経験にも新鮮さを感じにくくなるでしょう。

その結果「お金はあるけど使い道がない」や「お金を使ってもさほど楽しみを感じない」といった状況になってしまいます。

同じ1万円を使った時に得られるお金・消費対喜びの大きさ(=消費のコスパ)は若いうちほど高く、年を取るほど低下していくということです。

内蔵の機能や体力の衰えという側面もありますが、仕事の忙しさや子育て、ローンなど様々な制約が出てくることも関係しています。

実現の難しい夢や希望を抱いて、それが叶わないことによって受けるダメージはそれなりに大きいもの。

そんなムダなストレスを抱えないためにも、希望や願望自体を持つことを無意識にしにくくなってしまうのです。

貯める労力の大きさ

同じ1万円でも若いうちの方が「使う」ことの効果(喜び)が大きいと説明しましたが、好きに使うことをオススメする理由はもう1つあります。

それは若いうちの貯金は苦労の割に効果が薄いということです。

例えば1万円を手取り15万円から捻出するとなると大きいですが、昇給して手取りが30万円になるころには大した金額ではありません。

必死にならないと貯まらない年10万円の貯金も、給料が増えてくれば取るに足らない金額になり、勝手に貯まっていくことすらあります。

その程度の金額を捻出するために膨大な楽しみや喜びを犠牲にするのは割に合わないと思いませんか?

「独身時代は貯めるのに適した時期」などと言われますが、好きなことがあり、それに自由にお金を使えるのも独身時代しかありません。

後になれば簡単に貯められる程度のお金を貯めるために、現在の楽しみを犠牲にするのは不合理と言えます。

もちろん病気など不測の事態に備える名目の最低限の貯金、生活防衛費くらいは手元に用意しておくらいはしましょう。

また昇給するごとに生活水準を上げ続ければいつまでたっても1円も貯まりません。

結婚やマイホームの購入、子供の誕生など、何かしらのイベントを機に生活水準の維持=差額の貯金を始める必要はあります。

② 働くことに縛られない生き方

働くという選択に自由度が欲しいという人は、前の例とは正反対に徹底してお金を貯めることに腐心しましょう。

先ほどのパターンが「今を生きること」に重点を置くのに対して、こちらは「未来の自由を得ること」を重視します。

最近の流行り言葉で言えばFIREを目指すということです。

経済的自立がもたらすもの

日本でFIREが話題になる場合、主眼に置かれるのは「RE」すなわち早期リタイアです。

しかしFIREの本質は「FI」すなわち経済的な自立の方にあるとぼくは思います。

早期リタイアはあくまで経済的に自立した後の選択肢の1つでしかありません。

経済的な自立とは簡単に言えばお金の心配が判断の基準にカウントされないことであり、これが選択肢の幅に与える影響は絶大です。

お金のために選択する仕事はライスワークと言い、仕事は食うためにするものという位置づけになります。

多くの人がこうした基準に支配されていることでしょう。

しかし食うに困らない資産規模や配当収入が得られれば、好きなことややりたいことなどを給料を考えずに選択できます

また仕事を続けるにしても普通の人ほど大きなストレスを感じないという点もメリットです。

仕事におけるストレスは責任の重圧や人間関係など様々ですが、「逃げられない」という心理もその1つと考えられます。

どんなに仕事が辛くても「辞めたら生きていけない」状況では逃げるわけにはいきません。背後に壁がある状態です。

しかし経済的な自立を達成していれば、背後の壁が消えて「逃げる」という選択ができます。

実際に逃げるかどうかはさておき、選択の自由が確保されてる状態というのは心理的にかなり楽なものです。

ぼく自身が「いつ仕事を辞めても大丈夫」と思える水準の資産を築いて以降、これを強く実感しています。

若いうちから始めるべき理由

この選択は出来る限り早い時期、できれば就職した瞬間から始めるべきと考えていて、それには理由があります。

経済的に自立するためには貯金や投資で収入減を確保することも重要です。

しかしそれと同じかそれ以上に重要でインパクトの大きい取り組みがあります。

それが生活レベルのダウンサイジングです。

経済的自立と言える資産のレベルは基本的に毎月、毎年の生活費から算定します。

つまり生活費が高いほど必要な金額は多くなり、実現が遠のいてしまうのです。

結果を急いで高リターンの危険な投資などに手を出せば、より実現が遠のくという悪循環にも陥りかねません。

一度上がってしまった生活水準を下げるのは、余程の覚悟が無い限りほぼ不可能と言われています。

この理由についてはこちらのページで詳しく解説してるので、併せてご覧ください。

若いうちというのは使える金額が少なく、生活水準も低い水準に(強制的に)抑えられています。

この環境を有効活用し、低いうちから始めてその水準を維持し続けるということです。

とは言え就職した瞬間から辞めることを前提に考えるのは難しいかもしれません。

仕事が楽しくて辞めたいなんて思わないかもしれないしね

その場合でも、少しでも可能性があるなら一定の額を貯金することはしておきましょう。

まとめ 

お金は貯めるべきか使うべきかについて解説しました。

紹介した生活パターンは真逆で極端なモノでしたが、常々ぼくは中途半端が1番最悪の選択だと思っています。

「働き続ける」と決めたならトコトン使う。「一刻も早く自由になりたい」と思うなら必死に貯める。

このどちらかだと思います。

半端な貯金のためにやりたいことを我慢しながらキツイ仕事を続けて精神をさらに削るというのはとても合理的とは言い難いです。

言葉を選ばずに言ってしまえば、意味不明。一体何がしたいのか分かりません。

若いうち、就職したばかりでは決断できないと思う人もいるでしょう。

しかし今の時代、10代でスポーツ選手や棋士、YouTuber一本で活動することを決断することもいるほどです。

20数年生きてきて「未だ決断できない」などと言ってるのはやや甘いかもしれません。

逆に言えば若いうちなら決断で失敗してもやり直しが利く余裕があるとも言えます。

すでに就職して数年働いてる人も、始めるのに今より早い時期はありません。

これまでのことを後悔するのではなく、これから決めたルートに全振りしていきましょう。

てなとこで。