明日死んでも後悔しないか?|スティーブジョブズの思考法から考える働き方・生き方

皆さんは何のために働いていますか?

そもそも、そんなことは考えたこともなく、ただ盲目的に「学校を卒業したら定年まで働くのが普通」と思ってる人も多いかもしれません。

そして恐らく多くの人が「食うため」「生きるため」と答えることと思います。

いわゆるライスワークと言われるタイプの働き方です。

もちろん食うに困るほどお金がない状況は避けたいですが、果たしてこればかりで良いんでしょうか?

人生80年、定年までの40年間、毎日8時間働くとすると、人生の4分の1は仕事に時間を使うわけです。(8時間睡眠と仮定)

通勤が片道1時間だとしたら仕事に費やす時間は1日10時間にもなります。

生きてる時間の4分の1を食べるためだけに使うと聞いて大したことないと思う人もいるかもしれません。

しかしただ食べるためだけに捧げるにしてはかなり膨大な時間だとぼくは思います。

そして全員がこのことについて一度真剣に考えてみても良いんじゃないかとも思っています。

ということで今回は働くということについてのお話です。

2021年最大の炎上広告

2021年の秋ごろに東京のJR山手線の品川駅内ディスプレイに表示され、炎上した広告を覚えてますか?

ネットニュースでも大々的に取り上げられてたので、関東圏に住んでない人でも目にしたことと思います。

「今日の仕事は楽しみですか?」といった内容で、人材育成等を展開するアルファドライブという企業が打ち出したものです。

ネット上では「ディストピアだ!」「仕事は楽しみじゃなきゃいけないのか!」といった批判コメントで荒れ、早々に表示が取り下げられました。

内容の問題だけでなく、週の初めで憂鬱な月曜日(通称ブルーマンデー)に掲載が開始されるというタイミングの悪さも災いしたのでしょう。

しかし、これだけ炎上したのには別の理由もあるとぼくは思います。

それは多くのサラリーマンが触れられたくない、または気付かないフリをしてきたズタズタの傷口、核心に触れてしまったことです。

「情報の見え方は受け手次第でこんなにも変わるんだな」と再認識するきっかけになったのをよく覚えています。

というのもぼく自身はこの広告を見た時、ネットで騒がれているような「煽り」的なニュアンスを全く感じなかったからです。

ぼくも仕事は楽しいとは思いませんが、今の仕事に期待していることはそれなりの給料のみ。「やりがいを見出そう」などとは微塵も考えていません。

ただ粛々とFIREを目指して必要最低限の仕事を熟すのみです。

つまりこれに過剰な反応を見せた人というのは、やりがいを求めているのにそれが叶っていない人、無理してそれを意識しないようにしてる人と言えます。

ぼくの場合は「FIREするまで」という(比較的短い)期限付きで、やりたいことはその先で出来ると確信してるので割り切りも簡単です。

しかし「遥か彼方の定年まで」となるとその意識を保ち続けるのは難しいと言えるでしょう。

あの炎上騒動に同意した人、炎上に疑問を抱かなかった人は、自分の働き方を見直す必要があります。

明日死んでも後悔しない生き方かを問う意味

80歳まで生きる仮定で仕事の占める割合を計算しましたが、不慮の事故や病気などでもっと早く亡くなる可能性もあります。

ハードワークや不健康な食事、不規則な生活などで、早々に身体を壊してしまう人は珍しくない時代です。

不満を抱えた状態で人生を終えることになるなんて、考えただけで息苦しくかつ虚しく感じます。

行動経済学には「ピークエンドの法則」という有名な法則があります。

これは後から振り返った時の評価や満足度・幸福感はそれまでのピークと終わりの印象で決まるというものです。

とは言っても幸せの絶頂と思えるような経験をすることは誰にでもできるわけではありません。

万人が比較的コントロールしやすいのはエンドの方です。それでもいつがエンドになるかは誰にも予測できません。

フラストレーションを抱えた仕事をしてる最中に床に伏すようなことになれば、人生全体の印象は最悪になってしまいます。

結局はいつエンドが来ても後悔しないように過ごすしかないということです。

そこで「明日死ぬとして後悔しない生き方か?」を自問することが効いてきます。

アップルのスティーブ・ジョブズ氏の朝の習慣として有名ですが、マハトマ・ガンジーの格言という説もあります。

毎朝、鏡の前に立ち自分自身に問いかけることを習慣にしていたようです。

「そんなこと言われたって死ななかったら食えなくなるだけじゃんか!」

こう反論したくなる気持ちも分かります。

突然死ぬ可能性はありますが、死なない可能性の方が圧倒的に高いのは事実だからです。

しかしこれはかなり極端な捉え方で、そこさえ修正すれば非常に効果的な思考法になると言えます。

やりたくないこととやり残したこと

多くの人がこの死の可能性を前提にした思考に反発を抱くのは、「やりたいこと」の対義語を捉え間違えているからです。

若しくは質問の意図を取り違えているからとも言えます。

そこで一般的な捉え方と正しい捉え方について解説します。

≠やりたくないこと

一般的にはやりたいことの対極に「やりたくないこと」を持ってきます。

そうなると食うためだけの仕事(ライスワーク)は大部分の人が「やりたくないこと」になるでしょう。

だからこの質問を「やりたくない仕事なんかに時間を使ってて後悔しないのか?」という趣旨に捉えてしまうのです。

こう聞かれたら「そんなこと言ったって辞めたら生活できなくなるだろ!」となりますね。

でもこれはかなり消極的・ネガティブな見方です。

正しい捉え方をすれば、自省し、やるべきことが見えてくる非常に生産的な質問になります。

=やり残したこと

「やりたいことはないか?」ではなく「やり残したことはないか?」と聞かれたらどうでしょうか?

こう聞かれたら「やりたくない仕事は辞める」という思考にはならないはずです。

やりたい、またはやらなきゃと思ってても手を付けられていないことが思い浮かんで来たと思います。

やりたいことと死という期限を組み合わせることは非常に効果的なことです。

というのも制限が設けられることで実行する確率が高まることが研究でも確認されているからです。

割引クーポン期限の長さを1週間と短くした場合と、半年と長くした場合を比較すると、なんと短い方が使用率が高くなりました。

期限まで時間がある方が使うチャンスは多いはずなのにね

皆さんも卒業や転勤が近付いた途端、急に学校や職場の周りを巡ったりしたくなった経験があるんじゃないでしょうか?

これも同じく期限の効果です。

先延ばしにし続けていたことを直視する機会を与えてくれると考えれば、非常に為になる問いだと思えるんじゃないでしょうか?

FIREを目指す意味

とは言え食うための仕事が日常に占める割合はとても大きく、時間が足りないという人も多いと思います。

やり残したこと、やりたくても出来てないことをするためには、結局今のライスワークを辞めるしかないというケースもあるでしょう。

そうなると結局はお金の心配がもとで断念せざるを得ないというオチになってしまいます。

そこで登場するのが最近巷で話題になりつつあるFIREです。

FIREの目的が「RE」すなわち早期退職にあるというのはよくある誤解です。

日本ではこのリタイアの部分が中心に議論される辺りからも、現在のライスワークを苦痛に感じ、一刻も早く辞めたいと考えてる人の多さが窺えます。

しかし本来目指すべきは「FI」すなわち経済的自立、簡単に言ってしまえばお金の心配が要らない状態に辿り着くことです。

こうなればあまりお金にならない活動や仕事などでも生活の心配をせずに、向き合うことができます。

完全なリタイアを前提にしたFPの記事では「1億円でも足りない」という見解が多いですが、給与を得られる緩やかなセミリタイア(転職)であればもっと少なくてもOKです。

給料が安い若いうちに資金を作ろうとすれば、自ずと生活レベルを下げることになります。

なので維持に無理がない水準であれば、より必要な資金を少なくして早く到達することができるはずです。

手取り400万円の人が年200万円で生活すれば、貯金は年200万円で、1年生活できる資金が貯まります。

同じく手取り400万円の人が年100万円で生活すれば、貯金は300万円で、3年生活できる資金が貯まります。

生活レベルを半分に下げることで、働かなくていい期間は3倍になるということです。

運用して利息を得る場合はもっと大きな差になるよ

特にやりたいこともなく、定年までライスワークを続けることに負担や息苦しさを感じない人もいるかもしれません。

そういう人は逆に生活水準を自分の望むレベルまで高めてOKです。

最悪なのはどっちつかずの中途半端に、快楽もそこそこ貯金もそこそこといった状態になること。

この辺りについては別のページで解説します。

しかし今の生を重視して生きることは「人生の4分の1を捧げる誓いを立てることになる」という忠告は常に頭の片隅に置いておく必要があるでしょう。

まとめ

働き方についてのお話でした。

炎上した広告の例に見るように、多くの人が今の仕事と自分の理想との間のギャップを抱え、かつそれを抑え込み、無視して生活しています。

平均的な生涯を送る場合、仕事に捧げる時間は人生の4分の1と非常に膨大です。

「やりたくないことをしてないか?」と聞かれればたいていの人はライスワークはやりたくはないでしょうから、こんな質問には生産性がありません。

しかし明日死ぬとして「やり残したことはないか?」という質問は先延ばしにしてることをやるきっかけを作る非常に意味のある質問です。

何かやりたいことがあるということは非常に恵まれてることなので、それを無視するのはかなり大きな損失と言えます。

お金の心配なんかに足を引っ張られないためにもFIREは非常に大事な考え方です。

若いうちから生活レベルの上昇を抑えることは大きな資産を作る上でも大事なこと。

ちなみに生活レベルは一度上げたらほぼ終わりと思っておきましょう。それについては別のページで解説しています。

てなとこで。